テレフォニー フレームワークは、さまざまな信号測定タイプを使用して、モバイルデータ ネットワークの信号強度をレポートします。レポートされた信号強度を利用することで、デバイス上の信号バーの表示方法を制御し、モデムの信号強度レポート基準をカスタマイズできます。Android 11 以降では、フレームワークが使用する各種の信号測定タイプをカスタマイズして、4G LTE および 5G NR の無線アクセス ネットワーク(RAN)の信号強度をレポートできます。
フレームワークは、信号強度をレポートする際、信号強度レポート基準、信号強度しきい値、信号レベルという 3 つの機能を使用します。この 3 つの機能は、Android とモデム ハードウェア間の通信方法に影響します。たとえば、モデムによる不必要な信号強度レポートを抑制することで、電力消費量を削減し、システムの健全性を高めることができます。各機能は次のように定義されます。
- 信号強度レポート基準: Android によって定義される、モデムの信号強度レポートをトリガーする条件。
- 信号強度しきい値: 信号レベルと信号強度レポート基準を提案する際に使用される 4 つの整数のリスト。
- 信号レベル: 信号強度を示す 5 つのレベル(
NONE
、POOR
、MODERATE
、GOOD
、GREAT
)。
複数の信号測定タイプのサポート
Android 11 以上を搭載したデバイスの場合、NGRAN(5G LTE)ネットワークと EUTRAN(4G LTE)ネットワーク向けに、以下の信号測定タイプをカスタマイズできます。各測定値は、3 つの機能(信号強度レポート基準、信号強度しきい値、信号レベル)で使用されます。
- NGRAN(5G NR): SSRSRP、SSRSRQ、SSSINR
- EUTRAN(4G LTE): RSRP、RSRQ、RSSNR
実装
各 RAN 用の信号強度レポート基準をデバイスで設定できるようにするには、setSignalStrengthReportingCriteria_1_5
ハードウェア インターフェースを実装します。RAN ごとに、複数の信号測定タイプがサポートされています。測定タイプのいずれのレポート基準も RAN に対して有効になっていない場合、その RAN 用のレポート基準は Android フレームワークによって定義されます。測定タイプのレポート基準が RAN に対して有効になっている場合、他の測定タイプのレポート基準は無効になります。
4G ネットワークおよび 5G ネットワークの信号強度しきい値を定義するには、以下の携帯通信会社構成キーを使用します。
KEY_5G_NR_SSRSRP_THRESHOLDS_INT_ARRAY
KEY_5G_NR_SSRSRQ_THRESHOLDS_INT_ARRAY
KEY_5G_NR_SSSINR_THRESHOLDS_INT_ARRAY
KEY_LTE_RSRQ_THRESHOLDS_INT_ARRAY
KEY_LTE_RSSNR_THRESHOLDS_INT_ARRAY
RAN に対して複数の測定値を選択するには、以下の携帯通信会社構成キーを使用します。
検証
実装を検証するには、CarrierConfigManagerTest
の testGetConfig
CTS テストを使用します。setSignalStrengthReportingCriteria_1_5_*
をテストするには、VTS を使用します。