Android Automotive OS(AAOS)のアップデートに関する公開情報には、Android Automotive OS プラットフォームに影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。AAOS のフル アップデートは、2022 年 12 月の Android のセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティ パッチレベル 2022-12-05 以降と、この公開情報に掲載されているすべての問題の修正が含まれています。
ご利用のデバイスにこのアップデートを適用することをすべてのユーザーにおすすめします。
下記の問題のうち最も重大度の高いのは、プラットフォーム アプリ コンポーネントの重大度「高」のセキュリティ脆弱性により、追加の実行権限がなくてもローカルで権限を昇格できるようになる問題です。重大度の評価は、攻撃対象のデバイスでその脆弱性が悪用された場合の影響に基づくもので、プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が、開発目的または不正な回避により無効となっていることを前提としています。
お知らせ
- 2022 年 12 月の Android のセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性に加えて、2022 年 12 月の Android Automotive OS のアップデートに関する公開情報には、下記の AAOS の脆弱性に対するパッチも含まれています。
セキュリティ パッチレベル 2022-12-01 の脆弱性の詳細
ここでは、パッチレベル 2022-12-01 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目の詳細を説明します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。問題の説明に続いて、CVE ID、関連する参照先、脆弱性のタイプ、重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を表にまとめています。問題の対処法として一般公開されている変更内容(AOSP の変更の一覧など)が参照可能な場合は、その情報へのリンクをバグ ID に追加しました。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照先へのリンクを追加しています。Android 10 以降を搭載したデバイスは、セキュリティ アップデートと Google Play システム アップデートを受信することがあります。
プラットフォーム アプリ
このセクションの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、ローカルで権限を昇格されるおそれがあります。CVE | 参照 | タイプ | 重大度 | 更新対象の AOSP バージョン |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-0481 | A-172939189 | EoP | 高 | 10、11 |
CVE-2021-39706 | A-200164168 | EoP | 高 | 10、11 |
CVE-2021-39707 | A-200688991 | EoP | 高 | 10、11 |
CVE-2022-20144 | A-250637906 | EoP | 高 | 10、11 |
CVE-2022-20223 | A-223578534 | EoP | 高 | 10、11 |
CVE-2022-20348 | A-250910523 | EoP | 高 | 10、11 |
CVE-2021-39631 | A-193890833 | ID | 高 | 10、11、12、12L、13 |
システム
システムの脆弱性は、ユーザー実行権限を必要としながらも、ローカルで権限を昇格できるようになる問題です。CVE | 参照 | タイプ | 重大度 | 更新対象の AOSP バージョン |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-0954 | A-143559931 | EoP | 高 | 11、12、12L、13 |
一般的な質問と回答
上記の公開情報に対する一般的な質問とその回答は以下のとおりです。
1. 上記の問題に対処するようにデバイスが更新されているかどうかを確かめるには、どうすればよいですか?
デバイスのセキュリティ パッチレベルを確認するには、Google デバイスのアップデート スケジュールに記載されている手順をご覧ください。
- セキュリティ パッチレベル 2022-12-01 以降では、セキュリティ パッチレベル 2022-12-01 に関連するすべての問題に対処しています。
デバイス メーカーは、こうしたアップデートを組み込む場合、パッチレベル文字列を以下のとおり設定する必要があります。
- [ro.build.version.security_patch]:[2022-12-01]
Android 10 以降を搭載した一部のデバイスでは、Google Play システム アップデートに、セキュリティ パッチレベル 2022-12-01 と一致する日付文字列が含まれます。セキュリティ アップデートのインストール方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
2. 「タイプ」列の項目はどういう意味ですか?
脆弱性の詳細の表で「タイプ」列に記載した項目は、セキュリティの脆弱性の分類を示しています。
略語 | 定義 |
---|---|
RCE | リモートコード実行 |
EoP | 権限昇格 |
ID | 情報開示 |
DoS | サービス拒否攻撃 |
なし | 該当する分類なし |
3. 「参照」列の項目はどういう意味ですか?
脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載した項目には、その参照番号が属する組織を示す接頭辞が含まれる場合があります。
接頭辞 | 参照 |
---|---|
A- | Android バグ ID |
QC- | Qualcomm の参照番号 |
M- | MediaTek の参照番号 |
N- | NVIDIA の参照番号 |
B- | Broadcom の参照番号 |
U- | UNISOC の参照番号 |
4. 「参照」列の Android バグ ID の横にある「*」はどういう意味ですか?
公開されていない問題には、対応する参照 ID の横に「*」を付けています。この問題のアップデートは、Google デベロッパー サイトから入手できる Google Pixel デバイス用最新バイナリ ドライバに通常含まれています。
5. セキュリティの脆弱性が、この公開情報とデバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報(Google Pixel のセキュリティに関する公開情報など)に分けられているのはなぜですか?
Android デバイスの最新のセキュリティ パッチレベルを宣言するためには、このセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処が必要となります。それ以外の、デバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処は必須ではありません。また、Android デバイスやチップセットのメーカー(Google、Huawei、LGE、Motorola、Nokia、Samsung など)からも、各社製品に固有のセキュリティの脆弱性に関する詳細情報が公開される場合があります。
バージョン
バージョン
バージョン | 日付 | メモ |
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1.0 | 2022 年 12 月 5 日 | 情報公開 |