AAOS で入力デバイスを接続する

Android でオーディオを再生するために、次のメカニズムを使用できます。

各メカニズムは、Android でのオーディオ再生の実行を許可します。各メカニズムは、音声キャプチャまたは MediaRecorder クラスを結合し、まず音声をキャプチャしてから Android から再生できますが、ラジオの再生または入力デバイスからの再生では、これらのオプションは十分でない可能性があります。特にシステムアプリでは、次の情報を使用して、入力デバイスを AAOS の出力ミキサーに接続できます。

HwAudioSource プレーヤー

HwAudioSource はオーディオ ソース デバイスを Android ミキサーに直接接続します。

目的

Android でデバイス間パッチまたはハードウェア オーディオ パッチを使用すると、いくつかの制限が生じる場合があります。各オプションは、再生一時停止停止などのメディア キーイベントを受信できません。また、Android のオーディオ スタックを迂回するため、Android から他のオーディオにパッチをミックスするハードウェアがそれぞれ必要になります。

HwAudioSource を使用する

HwAudioSource はソフトウェア パッチとして設計された新しいタイプのプレーヤーです。このプレーヤーを使用することで、アプリはメディア キーイベントを受信できるようになり、Android は出力ストリームをミックスしてルーティングできるようになります。

mHwAudioSource = new HwAudioSource.Builder()
                .setAudioDeviceInfo(AudioDeviceInfo: info)
                .setAudioAttributes(new AudioAttributes.Builder()
                        .setUsage(AudioAttributes.USAGE_MEDIA)
                        .build())
                .build();
mHwAudioSource.play();
mHwAudioSource.stop();

オーディオ HAL に関する変更

この新しいプレーヤーでは、オーディオ HAL に対する次の想定を考慮に入れてください。例: device/generic/car/emulator/audio/driver/audio_hw.c

  • adev_create_audio_patch では、リクエストによってデバイスからミキサーへのオーディオ パッチが確立されることが期待されます。

  • adev_open_input_stream では、audio_sourceAUDIO_SOURCE_FM_TUNER になることが期待されます。

  • in_read は、オーディオ バッファをブロードキャスト ラジオのオーディオ データで埋めます。

audio_policy_configuration.xmlAUDIO_DEVICE_IN_FM_TUNER タイプのチューナー デバイスを構成することをおすすめします。

<devicePort
    tagName="Tuner_source"
    type="AUDIO_DEVICE_IN_FM_TUNER"
    role="source"
    address="tuner0">
    <profile
        name=""
        format="AUDIO_FORMAT_PCM_16_BIT"
        samplingRates="48000"
        channelMasks="AUDIO_CHANNEL_IN_STEREO"/>
</devicePort>

このデバイスを構成することで、AudioManager.getDevices(AudioManager.GET_DEVICES_INPUTSAudioDeviceInfo.TYPE_FM_TUNER を併用して FM ラジオの入力デバイスを容易に見つけることができます。

オーディオ パッチを作成する

ミックスポートまたはデバイスポートの 2 つのオーディオ ポート間にオーディオ パッチを作成できます。通常、ミックスポートからデバイスポートへのオーディオ パッチは再生用で、逆方向はキャプチャ用です。

たとえば、FM_TUNER ソースからメディアシンクにオーディオ サンプルを直接ルーティングするオーディオ パッチは、ソフトウェア ミキサーをバイパスします。その後、ハードウェア ミキサーを使用して、Android のオーディオ サンプルとシンク用の FM_TUNER をミックスする必要があります。FM_TUNER ソースからメディアシンクにオーディオ パッチを直接作成する場合は次の点にご注意ください。

  • 音量調節はメディアシンクに適用され、Android と FM_TUNER 両方のオーディオに影響します。

  • ユーザーはシンプルなアプリの切り替え機能で Android と FM_TUNER のオーディオを切り替えることができます(明示的なメディアソースの選択は不要です)。

Automotive の実装では、2 つのデバイスポート間にオーディオ パッチを作成する必要が生じる場合もあります。その場合はまず、audio_policy_configuration.xml でデバイスポートと可能なルートを宣言し、ミックスポートをデバイスポートに関連付けます。

構成の例

こちらの構成の例をご覧ください(device/generic/car/emulator/audio/audio_policy_configuration.xml)。

<audioPolicyConfiguration>
    <modules>
        <module name="primary" halVersion="3.0">
            <attachedDevices>
                <item>bus0_media_out</item>
                <item>bus1_audio_patch_test_in</item>
            </attachedDevices>
            <mixPorts>
                <mixPort name="mixport_bus0_media_out" role="source"
                        flags="AUDIO_OUTPUT_FLAG_PRIMARY">
                    <profile name="" format="AUDIO_FORMAT_PCM_16_BIT"
                            samplingRates="48000"
                            channelMasks="AUDIO_CHANNEL_OUT_STEREO"/>
                </mixPort>
                <mixPort name="mixport_audio_patch_in" role="sink">
                    <profile name="" format="AUDIO_FORMAT_PCM_16_BIT"
                           samplingRates="48000"
                           channelMasks="AUDIO_CHANNEL_IN_STEREO"/>
                </mixPort>
            </mixPorts>
            <devicePorts>
                <devicePort tagName="bus0_media_out" role="sink" type="AUDIO_DEVICE_OUT_BUS"
                        address="bus0_media_out">
                    <profile balance="" format="AUDIO_FORMAT_PCM_16_BIT"
                            samplingRates="48000" channelMasks="AUDIO_CHANNEL_OUT_STEREO"/>
                    <gains>
                        <gain name="" mode="AUDIO_GAIN_MODE_JOINT"
                                minValueMB="-8400" maxValueMB="4000" defaultValueMB="0" stepValueMB="100"/>
                    </gains>
                </devicePort>
                <devicePort tagName="bus1_audio_patch_test_in" type="AUDIO_DEVICE_IN_BUS" role="source"
                        address="bus1_audio_patch_test_in">
                    <profile name="" format="AUDIO_FORMAT_PCM_16_BIT"
                            samplingRates="48000" channelMasks="AUDIO_CHANNEL_IN_STEREO"/>
                    <gains>
                        <gain name="" mode="AUDIO_GAIN_MODE_JOINT"
                                minValueMB="-8400" maxValueMB="4000" defaultValueMB="0" stepValueMB="100"/>
                    </gains>
                </devicePort>
            </devicePorts>
            <routes>
                <route type="mix" sink="bus0_media_out" sources="mixport_bus0_media_out,bus1_audio_patch_test_in"/>
                <route type="mix" sink="mixport_audio_patch_in" sources="bus1_audio_patch_test_in"/>
            </routes>
        </module>
    </modules>
</audioPolicyConfiguration>

オーディオ ドライバ用 API

getExternalSources() を使用して使用可能なソースのリスト(アドレスで識別)を取得すると、オーディオの用途ごとにこうしたソースとシンクポートの間にオーディオ パッチを作成できます。Audio HAL の対応するエントリ ポイントは IDevice.hal に表示されます。

Interface IDevice {
...
/
*   Creates an audio patch between several source and sink ports.  The handle
*   is allocated by the HAL and must be unique for this audio HAL module.
*
*   @param sources patch sources.
*   @param sinks patch sinks.
*   @return retval operation completion status.
*   @return patch created patch handle.
*/
createAudioPatch(vec<AudioPortConfig> sources, vec<AudioPortConfig> sinks)
       generates (Result retval, AudioPatchHandle patch);

*   Release an audio patch.
*
*   @param patch patch handle.
*   @return retval operation completion status.
*/
releaseAudioPatch(AudioPatchHandle patch) generates (Result retval);
...
}

ラジオ チューナー

ラジオアプリを作成するときは、HwAudioSource を使用することをおすすめします。これにより、パッチの作成と、メディア キーイベントを処理するメディア セッションの両方が処理されます。同じソースとオーディオの属性に対して、複数のオーディオ ソースを作成できます。通常のラジオ用に 1 つと、交通情報用にもう 1 つ作成できます。

Android 11 では、FM_TUNER を録音する場合の権限が android.permission.CAPTURE_AUDIO_OUTPUT に変更されました。OP_RECORD_AUDIO 権限チェックは行われないようになりました。このチェックはマイクにのみ適用されます。この変更は、FM_TUNER ですでにアクセス用に SYSTEM_API 権限が必要なため、アプリには影響しません。

ラジオアプリの作成の詳細については、ラジオの実装をご覧ください。