概要

Media は、すべての Android 搭載車に安全でシームレスな接続型のインフォテインメント エクスペリエンスをもたらすメディアアプリを構築するためのプラットフォームを提供します。Media とは、メディアアプリの注意散漫防止の最適化(DO)再生とブラウジング エクスペリエンスを実現するように設計された Android システム アプリケーションです。Media は、Android オープンソース プロジェクト(AOSP)でその機能が完全に実装されています。


図 1. Media 画面のサンプル実装。

Media について詳しくは、次のページをご覧ください。

  • システム コンポーネントとユーザーフロー詳しくは、Media を操作するコンポーネントと最も一般的なユーザーフローをご確認ください。
  • メディアを使用したラジオの実装ラジオの UI を Media と統合して、メディアソースとラジオを 1 つのアプリケーションであるかのように操作可能にする方法について説明します。
  • メディアのカスタマイズAOSP 構造内のさまざまなレベルに定義されているスタイルとアセットを扱う方法を示します。
  • メディアカードの実装メディアカードを実装して、タイトルやアルバムアートのようなメディア メタデータを表示します。メディアカードには、プレイリストなどのメディア アイテムのキューも表示できます。

用語

このセクションでは次の用語が使用されます。

メディアソース
Android MediaBrowserService API を実装して、再生コントロールとメディア アイテムのカタログのブラウジングを公開する Android アプリ。
メディア アイテム
メディアソース カタログの要素。次のいずれかをメディア アイテムとして設定できます。
  • 再生可能なメディア アイテム。曲、本の章、ポッドキャストのエピソードなど、システムによって再生可能な音声セグメント。
  • ブラウジング可能なメディア アイテム。曲のカテゴリ、最近の曲のフォルダ、アーティストや著者、視聴者で並べ替えたポッドキャストと再生可能なメディア アイテムといった再生可能、またはその他のブラウジング可能なメディア アイテムをグループにまとめるために使用される組織要素。

Media の機能

Media は以下の機能を備えています。

運転中 駐車中

再生コントロール。

  • タイトル、アルバムアート、再生時間、説明、現在の再生位置など、現在再生中のメディア アイテム(曲など)の表示。

  • 標準メディア アクションの実行(再生、停止、一時停止、早送りなど)。

  • カスタム メディア アクションの実行(メディアソースごとのカスタム アクション)。

  • メディアアプリに用意されている場合の再生キューの表示。

カタログの閲覧。

  • 最上位のカテゴリの表示。

  • 閲覧可能なメディア アイテム(フォルダなど)へのドリルダウン。

  • タイトル、アルバムアート、インジケーターなどの再生可能なメディア アイテム(曲など)の選択。たとえば、露骨な表現を含むコンテンツやダウンロードしたコンテンツが該当します。

運転中の機能と次の機能:

  • ログイン。ログインが必要なメディアソースについては、Media から直接ログインフローを開始する必要があります。

  • 設定。メディアソースは設定 UI を表示できます。

  • キーボードで検索。ユーザーは Media でテキスト検索を実行できます。

タスク

次の表に、各当事者のタスクを示します。

車両メーカー(vOEM) Google アプリ デベロッパー
  • Android Automotive を使用して Android CDD に完全に準拠したインフォテインメント システムを構築する。
  • MediaSession API と Browser API、および Media との相互運用性に関するすべての要件を満たす。
    • ブラウジング構造を変更しない。
    • カスタム アクションを変更しない。
    • ログイン、設定などはアプリで行う。
    • API で明示的にサポートされるアプリのブランド要素(アプリ名など)を変更しない。
  • Media API を定義して改善する。
  • AOSP で Media を実装する。
  • Play ストアでのメディアアプリの公開について、アプリの審査プロセスを定義する。
  • API、カスタマイズ、レビュー、認定プロセスなどの要素に関するドキュメントを提供する。
  • Media API を実装する。
    • メディア ブラウジングの全体的構造に適したコンテンツを提供する。
    • 必要に応じてカスタム アクションを使用できるようにする。
    • 再生状態をシステムが利用できるようにする。
    • アプリ名などのブランド要素を提供する。
  • 必要に応じて、ログイン、登録、設定、エラーの解決フローを実装する。
  • 自動車の APK をビルドして Play ストアに公開する。

カスタマイズのガイドライン

AOSP で実装した Media では、Car UI ライブラリを使用したカスタマイズが可能です。ベーステーマと構造は、次の制限に従って変更を加えずに導入または変更できます。次の表に、Media のカスタマイズに関する OEM の責任を示します。

Media のカスタマイズ 説明
必要 カラーパレットやサイズ設定など、全体的なテーマとスタイルを調整する。
任意 Media の概要構造(タブの配置など)を変更する。

禁止

アプリのブランディングを含む、Media API のコントラクトを変更する。

  • MediaSession と MediaBrowser の相互運用性
  • メディアソース名、アイコン

以下に関する情報アーキテクチャを変更する。

  • 再生
  • 参照
  • 検索