Android 15 リリースでは、カメラ ITS に複数の変更が加えられています。
このページでは、Android 15 のカメラ ITS の変更点をまとめています。変更は、次のカテゴリに大別されます。
- Python とパッケージのバージョン
- FAIL* テスト
- タブレットの許可リスト
- Jetpack カメラアプリのテスト
- 配置確認ツール
- 非推奨のテスト
- 新しいシーン
- 新しいテスト
- リファクタリングされたテスト
Python とパッケージのバージョン
Android 15 は、以下の Python とパッケージのバージョンに対応しています。
- Python 3.10.11
- OpenCV 4.6.0
- Numpy 1.22.3
- Matplotlib 3.4.3
- Scipy 1.8.1
- pySerial 3.5
- Pillow 9.4.0
- PyYAML 6.0
- Mobly 1.12.2
- FFmpeg 4.2.2
- Colour-science 0.4.2
- scikit-image 0.20.0
パートナーの皆様には、パッケージ管理ソフトウェアを使用して、適切なバージョンをバンドル化し、Android リリースの開発環境ごとにバージョンを切り替えることを強くおすすめします。
以下のパッケージは、Android 15 で新たに必要になったものです。
FAIL* テスト
Android 15 では、FAIL*
指定をテスト結果に使用して、テストは失敗したものの、必須ではないことを明示します。そのため、FAIL*
指定を含むテストは、CTS 検証ツールには PASS
としてレポートされます。
タブレットの許可リスト
パルス幅変調(PWM)によって画面を暗くするタブレットのテストが失敗したため、Android 15 では、タブレットの種類と OS のバージョンを確認するため、タブレットの許可リストを使用します。許可リストに入っているタブレットの一覧については、タブレットの許可リストをご覧ください。
Jetpack カメラアプリのテスト
Android 15 には、サードパーティ製アプリの使用をエミュレートするために、Jetpack カメラアプリ(JCA)が導入されています。JCA は、scene_flash
テストの前にテスト対象のデバイスにインストールしておく必要があります。
配置確認ツール
Android 15 には、セットアップ時にチャートの配置を決めるのに役立つ配置確認ツールの tools/check_alignment.py
が追加されています。このツールは、scene4 チャートを使用して、キャプチャされたシーンの中心を基準にタブレット上の円の中心を計算します。
非推奨のテスト
Android 15 では、次のテストについては、他のテストにその機能が含まれているため削除されています。
シーン | テスト名 |
---|---|
0 | test_capture_result_dump |
0 | test_param_sensitivity_burst |
1_1 | test_3a |
1_1 | test_ae_af |
1_1 | test_param_exposure_time |
1_2 | test_param_sensitivity |
3 | test_3a_consistency |
新規のシーンと更新されたシーン
Android 15 には、テスト カバレッジを広げ、所要時間を短縮するために、新規のシーンと更新されたシーンが多数導入されています。
シーン | 説明 |
---|---|
feature_combination | 機能の組み合わせのテストを別々のシーンに分割できる Sensor Fusion Box シーン。 |
sensor_fusion | Sensor Fusion Box 用のチャートが更新され、ArUco マーカーが追加されています。このチャートは、17×17 インチ(43×43 センチ)で出力し、Sensor Fusion Box の背面を覆う必要があります。 |
scene7 | カメラ トランジション全体で 3A の一貫性を保つため、傾斜したエッジとカラー クアドラントを含むタブレットベースのシーン。 |
scene8 | AE および AWB 領域の測定テスト用の色付き領域を含むタブレットベースのシーン。 |
scene9 | JPEG 圧縮を強調するため、高エントロピー画像を含むタブレットベースのシーン。 |
scene_flash | ライティング制御テストをグループ化するセンサー フュージョン装置の反射チャートシーン。 |
scene_low_light | 黒い背景に、さまざまな色合いのグレーの正方形のグリッドが表示されるタブレットベースのシーン。 |
scene_video | フレーム落ちのテストのため、動くオブジェクトを含むタブレットベースのシーン。 |
新しいテスト
Android 15 には、次の新しいテストが導入されています。
シーン | テスト名 | 説明 |
---|---|---|
2_c | test_default_camera_hdr | デバイスがパフォーマンス クラス 15 に分類されている場合に、内蔵カメラアプリによって、デフォルトでウルトラ HDR をキャプチャできるかを検証します。 |
4 | test_30_60fps_preview_fov_match | プレビュー ストリームの画角が 30 fps と 60 fps で同一かどうかを検証します。 |
6 | test_preview_zoom | 各プレビュー フレームのズーム倍率が、対応するキャプチャのメタデータと一致するか検証します。 |
6 | test_session_characteristics_zoom | サポートされているすべてのセッション構成について、ズーム倍率の範囲を検証します。 |
7 | test_multi_camera_switch | ワイドからウルトラワイドのカメラ トランジションで、プレビュー ストリームの 3A の挙動が一貫しているか検証します。 |
8 | test_ae_awb_regions | プレビュー ストリームの AE および AWB の測定領域が適切に機能しているか検証します。 |
9 | test_jpeg_high_entropy | 複雑なシーンで JPEG キャプチャを適切に圧縮できるか検証します。 |
feature_combination | test_feature_combination | ストリームの組み合わせ、プレビューの安定化、ターゲットとする FPS 範囲、10 ビット HDR 動画、ウルトラ HDR のあらゆる組み合わせがサポートされているか検証します。 |
flash | test_flash_strength | SINGLE のフラッシュの強さの制御が適切に実装されているか検証します。 |
flash | test_torch_strength | TORCH モードのトーチの強さの制御が適切に実装されているか検証します。 |
low_light | test_low_light_boost_extension | Low Light Boost AE mode が適切に実装されているか検証します。 |
sensor_fusion | test_lens_intrinsic_calibration | 光学式手ぶれ補正機能(OIS)により、レンズが動いたときにレンズの光学的中心も変化するかを検証します。 |
sensor_fusion | test_preview_distortion | さまざまなズームレベルで撮影された各プレビュー フレーム全体で、歪みが補正されているか検証します。 |
video | test_preview_frame_drop | 最高解像度の動画を使用し、プレビュー ストリームでフレーム落ちが発生していないか検証します。 |
リファクタリングされたテスト
Android 15 では、次のテストがテスト カバレッジを広げ、より論理的にテストをグループ化するためリファクタリングされています。
シーン | テスト名 | 説明 |
---|---|---|
0 | test_request_capture_match | わかりやすくするため、test_read_write から名前が変わりました。 |
1_1 | test_burst_capture | キャプチャの明るさとフレーム落ちのチェックを追加するため、scene0 から移行され、リファクタリングされました。 |
1_1 | test_exposure_x_iso | わかりやすくするため、test_exposure から名前が変わりました。 |
1_2 | test_raw_burst_sensitivity | フレーム間の差異を減らすために、ISO 値ごとに 4 フレームをキャプチャするようにリファクタリングしました。 |
1_2 | test_raw_sensitivity | フレーム間の差異を減らすために、ISO 値ごとに 4 フレームをキャプチャするようにリファクタリングしました。 |
1_2 | test_yuv_plus_raw | レンズ シェーディング補正マップを RAW 色平面に適用するようリファクタリングしました。 |
3 | test_flip_mirror | Android 15 では回転された画像が利用できなくなりました。 |
3 | test_imu_drift | scene0/test_gyro_bias から移行、改称、リファクタリングされ、プレビュー ストリーム実行中の回転ベクトルのチェックが追加されました。 |
4 | test_aspect_ratio_and_crop | YUV + プライベート ストリームの組み合わせと、YUV + プライベート + YUV ストリームの組み合わせが追加されました。 |
4 | test_video_aspect_ratio_and_crop | HLG10 で録画された動画の色空間が BT.2020 であることを確認しました。 |
flash | test_auto_flash | ライティング制御テストをグループ化するため、scene2_a から scene_flash に移行されました。JCA を使用するようリファクタリングされました。 |
flash | test_led_snapshot | ライティング制御テストをグループ化するため、sensor_fusion シーンから scene_flash に移行されました。 |
flash | test_preview_min_frame_rate | ライティング制御テストをグループ化するため、scene2_a から scene_flash に移行されました。 |
low_light | test_night_extension | ローライト ブースト拡張機能と夜間モード拡張機能向けに、一貫性のあるテスト環境を創出するため、scene2_night から scene_low_light に移行されました。 |
sensor_fusion | test_preview_stabilization | 一般的な解像度(1920×1080、1280×720、640×480)の場合のみ、ズーム倍率 0.9 倍(可能な場合)と 1 倍をテストするようリファクタリングされました。 |