リビジョン 1
最終更新日: 2013 年 7 月 23 日
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目次
2. 参考資料
3. ソフトウェア
3.2. ソフト API の互換性
3.3. ネイティブ API の互換性
3.4. ウェブの互換性
3.5. API 動作の互換性
3.6. API の名前空間
3.7. 仮想マシンの互換性
3.8. ユーザー インターフェースの互換性
3.8.2. ウィジェット
3.8.3. 通知
3.8.4. 検索
3.8.5. トースト
3.8.6. テーマ
3.8.7. ライブ壁紙
3.8.8. 最近使ったアプリの表示
3.8.9. 入力管理
3.8.10. ロック画面のメディア リモコン
3.8.11. Dreams
3.10. ユーザー補助
3.11. テキスト読み上げ
5. マルチメディアの互換性
6. デベロッパー ツール、開発者向けオプションの互換性
7. ハードウェアの互換性
7.1.2. ディスプレイの指標
7.1.3. 画面の向き
7.1.4. 2D と 3D のグラフィック アクセラレーション
7.1.5. レガシーアプリの互換モード
7.1.6. 画面のタイプ
7.1.7. 画面技術
7.1.8. 外部ディスプレイ
7.3. センサー
7.4. データ接続
7.5. カメラ
7.6. メモリとストレージ
7.7. USB
9. セキュリティ モデルの互換性
9.2. UID とプロセスの分離
9.3. ファイルシステムの権限
9.4. 代替実行環境
9.5. マルチユーザー サポート
9.6. プレミアム SMS の警告
9.7. カーネル セキュリティ機能
11. アップデート可能なソフトウェア
12. お問い合わせ
1. はじめに
このドキュメントでは、デバイスが Android 4.3 との互換性を維持するために満たす必要がある要件を列挙しています。
原文における「must」(しなければならない)、「must not」(してはならない)、「required」(必須)、「shall」(するものとする)、「shall not」(しないものとする)、「should」(するべきである)、「should not」(するべきではない)、「recommended」(推奨される)、「may」(しても構わない)「optional」(任意)の使用は、RFC2119 [参考資料、1] で定義されている IETF 規格に基づきます。
このドキュメントで使用する「デバイス実装者」または「実装者」とは、Android 4.3 を実行するハードウェア / ソフトウェア ソリューションを開発する人または組織を指します。「デバイス実装」または「実装」とは、そのように開発されたハードウェア / ソフトウェア ソリューションを指します。
Android 4.3 と互換性があるとみなされるには、デバイス実装が、この互換性定義で記載された要件(参照先として組み込まれているドキュメントを含む)を満たさなければなりません。
この定義、またはセクション 10 に記載されているソフトウェア テストが、言及されていない、曖昧である、または不完全である場合、既存の実装との互換性を確保することはデバイス実装者の責任です。
このため、Android オープンソース プロジェクト [参考資料、3] は Android のリファレンス実装であり、優先実装です。デバイス実装者は可能な限り、Android オープンソース プロジェクトから入手できる「アップストリーム」のソースコードに基づいて実装することが強く推奨されます。一部のコンポーネントは仮に別の実装に置き換えることもできますが、ソフトウェア テストの合格が非常に困難になるため、そのような慣例には従わないことが強く推奨されます。互換性テストスイートなどを含む標準的な Android 実装との完全な動作互換性を確保することは、実装者の責任です。なお、このドキュメントでは特定のコンポーネントの置き換えと変更が明示的に禁止されています。
2. 参考資料
- IETF RFC2119 要件レベル: http://www.ietf.org/rfc/rfc2119.txt
- Android 互換性プログラムの概要: http://source.android.com/docs/compatibility/index.html
- Android オープンソース プロジェクト: http://source.android.com/
- API の定義とドキュメント: http://developer.android.com/reference/packages.html
- Android 権限リファレンス: http://developer.android.com/reference/android/Manifest.permission.html
- android.os.Build リファレンス: http://developer.android.com/reference/android/os/Build.html
- Android 4.3 で許可されているバージョン文字列: http://source.android.com/docs/compatibility/4.3/versions.html
- RenderScript: http://developer.android.com/guide/topics/graphics/renderscript.html
- ハードウェア アクセラレーション: http://developer.android.com/guide/topics/graphics/hardware-accel.html
- android.webkit.WebView クラス: http://developer.android.com/reference/android/webkit/WebView.html
- HTML5: http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/multipage/
- HTML5 のオフライン機能: http://dev.w3.org/html5/spec/Overview.html#offline
- HTML5 の video タグ: http://dev.w3.org/html5/spec/Overview.html#video
- HTML5/W3C の位置情報 API: http://www.w3.org/TR/geolocation-API/
- HTML5/W3C の webdatabase API: http://www.w3.org/TR/webdatabase/
- HTML5/W3C の IndexedDB API: http://www.w3.org/TR/IndexedDB/
- Dalvik 仮想マシン仕様: Android ソースコード(dalvik/docs)で入手可能
- AppWidget: http://developer.android.com/guide/practices/ui_guidelines/widget_design.html
- 通知: http://developer.android.com/guide/topics/ui/notifiers/notifications.html
- アプリリソース: http://code.google.com/android/reference/available-resources.html
- ステータスバー アイコンのスタイルガイド: http://developer.android.com/guide/practices/ui_guidelines/icon_design_status_bar.html
- 検索マネージャー: http://developer.android.com/reference/android/app/SearchManager.html
- トースト: http://developer.android.com/reference/android/widget/Toast.html
- テーマ: http://developer.android.com/guide/topics/ui/themes.html
- R.style クラス: http://developer.android.com/reference/android/R.style.html
- ライブ壁紙: https://android-developers.googleblog.com/2010/02/live-wallpapers.html
- Android デバイス管理: http://developer.android.com/guide/topics/admin/device-admin.html
- DevicePolicyManager リファレンス: http://developer.android.com/reference/android/app/admin/DevicePolicyManager.html
- Android のユーザー補助サービス API: http://developer.android.com/reference/android/accessibilityservice/package-summary.html
- Android のユーザー補助 API: http://developer.android.com/reference/android/view/accessibility/package-summary.html
- Eyes Free プロジェクト: http://code.google.com/p/eyes-free
- テキスト読み上げ API: http://developer.android.com/reference/android/speech/tts/package-summary.html
- リファレンス ツールのドキュメント(adb、aapt、ddms、systrace): http://developer.android.com/guide/developing/tools/index.html
- Android apk ファイルの説明: http://developer.android.com/guide/topics/fundamentals.html
- マニフェスト ファイル: http://developer.android.com/guide/topics/manifest/manifest-intro.html
- Monkey テストツール: https://developer.android.com/studio/test/other-testing-tools/monkey
- Android の android.content.pm.PackageManager クラスとハードウェア機能のリスト: http://developer.android.com/reference/android/content/pm/PackageManager.html
- 複数画面のサポート: http://developer.android.com/guide/practices/screens_support.html
- android.util.DisplayMetrics: http://developer.android.com/reference/android/util/DisplayMetrics.html
- android.content.res.Configuration: http://developer.android.com/reference/android/content/res/Configuration.html
- android.hardware.SensorEvent: http://developer.android.com/reference/android/hardware/SensorEvent.html
- Bluetooth API: http://developer.android.com/reference/android/bluetooth/package-summary.html
- NDEF プッシュ プロトコル: http://source.android.com/docs/compatibility/ndef-push-protocol.pdf
- MIFARE MF1S503X: http://www.nxp.com/documents/data_sheet/MF1S503x.pdf
- MIFARE MF1S703X: http://www.nxp.com/documents/data_sheet/MF1S703x.pdf
- MIFARE MF0ICU1: http://www.nxp.com/documents/data_sheet/MF0ICU1.pdf
- MIFARE MF0ICU2: http://www.nxp.com/documents/short_data_sheet/MF0ICU2_SDS.pdf
- MIFARE AN130511: http://www.nxp.com/documents/application_note/AN130511.pdf
- MIFARE AN130411: http://www.nxp.com/documents/application_note/AN130411.pdf
- カメラの向きに関する API: http://developer.android.com/reference/android/hardware/Camera.html#setDisplayOrientation(int)
- カメラ: http://developer.android.com/reference/android/hardware/Camera.html
- Android のオープン アクセサリ: http://developer.android.com/guide/topics/usb/accessory.html
- USB ホスト API: http://developer.android.com/guide/topics/usb/host.html
- Android のセキュリティと権限に関するリファレンス: http://developer.android.com/guide/topics/security/security.html
- Android 向けアプリ: http://code.google.com/p/apps-for-android
- Android DownloadManager: http://developer.android.com/reference/android/app/DownloadManager.html
- Android File Transfer: http://www.android.com/filetransfer
- Android のメディア形式: http://developer.android.com/guide/appendix/media-formats.html
- HTTP Live Streaming のドラフト プロトコル: http://tools.ietf.org/html/draft-pantos-http-live-streaming-03
- NFC 接続ハンドオーバー: http://www.nfc-forum.org/specs/spec_list/#conn_handover
- NFC を使用する Bluetooth Secure Simple Pairing: http://www.nfc-forum.org/resources/AppDocs/NFCForum_AD_BTSSP_1_0.pdf
- Wi-Fi マルチキャスト API: http://developer.android.com/reference/android/net/wifi/WifiManager.MulticastLock.html
- アクション アシスト: http://developer.android.com/reference/android/content/Intent.html#ACTION_ASSIST
- USB 充電仕様: http://www.usb.org/developers/devclass_docs/USB_Battery_Charging_1.2.pdf
- Android ビーム: http://developer.android.com/guide/topics/nfc/nfc.html
- Android USB オーディオ: http://developer.android.com/reference/android/hardware/usb/UsbConstants.html#USB_CLASS_AUDIO
- Android の NFC 共有設定: http://developer.android.com/reference/android/provider/Settings.html#ACTION_NFCSHARING_SETTINGS
- Wi-Fi Direct(Wi-Fi P2P): http://developer.android.com/reference/android/net/wifi/p2p/WifiP2pManager.html
- ロックとホーム画面のウィジェット: http://developer.android.com/reference/android/appwidget/AppWidgetProviderInfo.html
- UserManager のリファレンス: http://developer.android.com/reference/android/os/UserManager.html
- 外部ストレージのリファレンス: https://source.android.com/docs/core/storage
- 外部ストレージの API: http://developer.android.com/reference/android/os/Environment.html
- SMS ショートコード: http://en.wikipedia.org/wiki/Short_code
- メディア リモコン クライアント: http://developer.android.com/reference/android/media/RemoteControlClient.html
- ディスプレイ マネージャー: http://developer.android.com/reference/android/hardware/display/DisplayManager.html
- Dreams: http://developer.android.com/reference/android/service/dreams/DreamService.html
- Android アプリ開発に関連する設定: http://developer.android.com/reference/android/provider/Settings.html#ACTION_APPLICATION_DEVELOPMENT_SETTINGS
- Camera: http://developer.android.com/reference/android/hardware/Camera.Parameters.html
- EGL 拡張機能 - EGL_ANDROID_RECORDABLE: http://www.khronos.org/registry/egl/extensions/ANDROID/EGL_ANDROID_recordable.txt
- Motion Event API: http://developer.android.com/reference/android/view/MotionEvent.html
- タップ入力の構成: http://source.android.com/docs/core/interaction/input/touch-devices.html
上記の参考資料の多くは、Android 4.3 SDK から直接的または間接的に派生したものであり、その SDK ドキュメントに記載されている情報と機能的に同一です。この互換性定義または互換性テストスイートと SDK ドキュメントの間に相違がある場合は、SDK ドキュメントが正式なものとみなされます。上記の参考資料に記載されている技術的な詳細情報はすべて、この互換性定義の一部とみなされます。
3. ソフトウェア
3.1. マネージド API の互換性
マネージド(Dalvik ベース)実行環境は、Android アプリを実行するための主要な手段です。Android のアプリケーション プログラミング インターフェース(API)は、マネージド VM 環境で実行されるアプリに公開される Andoid プラットフォーム インターフェースのセットです。デバイス実装は完全な実装を提供しなければなりません。これには、Android 4.3 SDK によって公開されている、ドキュメント化済みの API [参考資料、4] のドキュメント化済みの動作がすべて含まれます。
デバイス実装は、この互換性定義で特に許可される場合を除き、マネージド API の省略、API インターフェースまたは署名の変更、ドキュメント化済みの動作からの逸脱、NoOps の組み込みを行ってはなりません。
この互換性定義では、Android に API が含まれている一部のタイプのハードウェアについては、デバイス実装で省略することを許可しています。そのような場合であっても、API が存在し、かつ妥当な動作をしなければなりません。このシナリオに固有の要件については、セクション 7 をご覧ください。
3.2. ソフト API の互換性
セクション 3.1 のマネージド API に加えて、Android には重要なランタイム専用の「ソフト」API も含まれています。これらは、Android アプリのインテント、権限、およびそれらと同様の要素の形式を取り、アプリのコンパイル時に適用できない API です。
3.2.1. 権限
デバイス実装者は、権限リファレンス ページ [参考資料、5] に記載されているすべての権限定数をサポートし、適用しなければなりません。なお、セクション 9 では、Android セキュリティ モデルに関連する追加要件がリストされています。
3.2.2. ビルド パラメータ
Android API には、現在のデバイスを記述するための android.os.Build
クラス [参考資料、6] の定数がいくつか含まれています。デバイス実装間で一貫した意味のある値を提供するために、これらの値の形式に関してデバイス実装が従わなければならない追加の制限を下記の表に示します。
パラメータ | コメント |
android.os.Build.VERSION.RELEASE | 現在実行している Android システムのバージョン(人が読める形式)。このフィールドには、[参考資料、7] で定義された文字列値のいずれかを指定しなければなりません。 |
android.os.Build.VERSION.SDK | 現在実行している Android システムのバージョン(サードパーティ アプリのコードからアクセスできる形式)。Android 4.3 の場合、このフィールドには整数値 18 を指定しなければなりません。 |
android.os.Build.VERSION.SDK_INT | 現在実行している Android システムのバージョン(サードパーティ アプリのコードからアクセスできる形式)。Android 4.3 の場合、このフィールドには整数値 18 を指定しなければなりません。 |
android.os.Build.VERSION.INCREMENTAL | 現在実行している Android システムの特定のビルドを指定する、デバイス実装者が選択した値(人が読める形式)。この値については、エンドユーザーが利用できる別のビルドに再利用することは回避しなければなりません。このフィールドは主に、ビルドの生成に使用されたビルド番号またはソース管理変更 ID を示すために使用します。このフィールドの具体的な形式についての要件はありませんが、null または空の文字列("")であってはなりません。 |
android.os.Build.BOARD | デバイスで使用される特定の内部ハードウェアを識別する、デバイス実装者が選択した値(人が読める形式)。このフィールドは、デバイスに電力を供給するボードの特定のリビジョンを示すために使用できます。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.BRAND | デバイスを製作した企業、組織、個人などを識別する、デバイス実装者が選択した値(人が読める形式)。このフィールドは、デバイスを販売した OEM や携帯通信会社を示すために使用します。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.CPU_ABI | ネイティブ コードの命令セットの名前(CPU タイプ + ABI 規則)。セクション 3.3: ネイティブ API の互換性をご覧ください。 |
android.os.Build.CPU_ABI2 | ネイティブ コードの 2 番目の命令セットの名前(CPU タイプ + ABI 規則)。セクション 3.3: ネイティブ API の互換性をご覧ください。 |
android.os.Build.DEVICE | デバイスの筐体の具体的な構成またはリビジョン(「工業デザイン」と呼ばれることもあります)を識別する、デバイス実装者が選択した値。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.FINGERPRINT | このビルドを一意に識別する文字列。人が読める程度の形式にすべきです。次のテンプレートに従わなければなりません。
$(BRAND)/$(PRODUCT)/$(DEVICE):$(VERSION.RELEASE)/$(ID)/$(VERSION.INCREMENTAL):$(TYPE)/$(TAGS) 例: acme/mydevice/generic:4.3/JRN53/3359:userdebug/test-keys フィンガープリントは空白文字を含んではなりません。上記のテンプレート内の他のフィールドに空白文字がある場合、ビルドのフィンガープリントではアンダースコア(_)などの別の文字に置き換えなければなりません。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければなりません。 |
android.os.Build.HARDWARE | ハードウェアの名前(カーネル コマンドラインまたは /proc から)。人が読める程度の形式にするべきです。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.HOST | ビルドが構築されたホストを一意に識別する文字列(人が読める形式)。このフィールドの具体的な形式についての要件はありませんが、null または空の文字列("")であってはなりません。 |
android.os.Build.ID | 特定のリリースを参照するためにデバイス実装者が選択する識別子(人が読める形式)。このフィールドは android.os.Build.VERSION.INCREMENTAL と同じ内容にできますが、エンドユーザーがソフトウェア ビルドを区別できるような意味のある値にするべきです。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.MANUFACTURER | 製品の相手先ブランド製品製造企業(OEM)の商号。このフィールドの具体的な形式についての要件はありませんが、null または空の文字列("")であってはなりません。 |
android.os.Build.MODEL | エンドユーザーが知っているデバイスの名前を含む、デバイス実装者が選択した値。これは、デバイスが販売され、エンドユーザーに購入される際の名前と同じにすべきです。このフィールドの具体的な形式についての要件はありませんが、null または空の文字列("")であってはなりません。 |
android.os.Build.PRODUCT | 製品(SKU)の開発名またはコードネームを含む、デバイス実装者が選択した値。人が読める形式でなければなりませんが、必ずしもエンドユーザーに表示することを意図したものではありません。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.SERIAL | ハードウェアのシリアル番号(利用可能な場合)。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^([a-zA-Z0-9]{0,20})$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.TAGS | ビルドをさらに明確に区別する、デバイス実装者が選択したタグのカンマ区切りのリスト(例: 「unsigned,debug」)。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.TIME | ビルドが作成されたときのタイムスタンプを表す値。 |
android.os.Build.TYPE | ビルドのランタイム構成を指定する、デバイス実装者が選択した値。このフィールドには、典型的な 3 つの Android ランタイム構成(user、userdebug、eng)に対応する値のいずれかを指定するべきです。このフィールドの値は、7 ビット ASCII としてエンコード可能でなければならず、かつ正規表現 "^[a-zA-Z0-9.,_-]+$" と一致しなければなりません。 |
android.os.Build.USER | ビルドを生成したユーザー(または自動ユーザー)の名前またはユーザー ID。このフィールドの具体的な形式についての要件はありませんが、null または空の文字列("")であってはなりません。 |
3.2.3. インテントの互換性
デバイス実装では、以下の各セクションに記載されているように、Android の疎結合インテント システムを尊重しなければなりません。「尊重する」とは、デバイス実装者が、一致するインテント フィルタを指定し、指定されたインテント パターンごとに正しい動作をバインドして実装する Android アクティビティまたはサービスを提供しなければならないことを意味します。
3.2.3.1. コアアプリのインテント
Android のアップストリーム プロジェクトでは、連絡先、カレンダー、フォト ギャラリー、音楽プレーヤーなど、多くのコアアプリを定義しています。デバイス実装者は、これらのアプリを代替バージョンに置き換えても構いません。
ただし、そのような代替バージョンは、アップストリーム プロジェクトが提供するものと同じインテント パターンを尊重しなければなりません。たとえば、デバイスに代替の音楽プレーヤーが含まれている場合でも、サードパーティ アプリによって発行されたインテント パターンを尊重して曲を選択しなくてはなりません。
以下のアプリは、コア Android システムアプリとみなされます。
- 卓上時計
- ブラウザ
- カレンダー
- 連絡先
- ギャラリー
- グローバル検索
- ランチャー
- 音楽
- 設定
コア Android システムアプリには、「パブリック」とみなされるさまざまな Activity または Service コンポーネントが含まれます。つまり、属性「android:exported」が存在しないか、値が「true」である可能性があります。
デバイス実装は、android:exported 属性の値を「false」に設定することにより非パブリックとしてマークされていない、コア Android システムアプリのいずれかで定義されたすべての Activity または Service で、コア Android システムアプリと同じインテント フィルタ パターンを実装する同じタイプのコンポーネントを含まなければなりません。
つまり、デバイス実装はコア Android システムアプリを置き換えても構いませんが、その場合は、置き換えられる各コア Android システムアプリで定義されたすべてのインテント パターンをサポートしなければなりません。
3.2.3.2. インテントのオーバーライド
Android は拡張可能なプラットフォームであるため、デバイス実装は、セクション 3.2.3.2 で参照されている各インテント パターンをサードパーティ アプリがオーバーライドできるようにしなければなりません。アップストリームの Android オープンソース実装では、デフォルトでそれが可能です。デバイス実装者は、システムアプリによるそのようなインテント パターンの使用に特別な権限を付与してはなりません。または、サードパーティ アプリがそのようなパターンをバインドすることやそれらの制御を前提とすることを妨げてはなりません。これによって禁止される行為には、たとえば、同じインテント パターンを処理する複数のアプリの中からユーザーが特定のアプリを選択することを許可する「選択的」ユーザー インターフェースを無効にすることが含まれますが、これに限定されません。
ただし、デフォルト アクティビティがデータ URI に対してより限定的なフィルタを提供する場合、デバイス実装は限定的な URI パターン(例: http://play.google.com)用のデフォルト アクティビティを提供しても構いません。たとえば、データ URI「http://www.android.com」を指定するインテント フィルタは、「http://」を指定するブラウザ フィルタよりも限定的です。デバイス実装では、ユーザーがインテントのデフォルト アクティビティを変更できるユーザー インターフェースを搭載しなければなりません。
3.2.3.3. インテントの名前空間
デバイス実装では、android.* 名前空間または com.android.* 名前空間に、ACTION、CATEGORY、または他のキー文字列を使用して、新しいインテント パターンやブロードキャスト インテント パターンを尊重する Android コンポーネントを含めてはなりません。デバイス実装者は、別の組織に属するパッケージ空間において、ACTION、CATEGORY、またはその他のキー文字列を使用して新しいインテントまたはブロードキャスト インテント パターンを尊重する Android コンポーネントを含めてはなりません。デバイス実装者は、セクション 3.2.3.1 に記載されたコアアプリで使用されるインテント パターンのいずれについても、変更や拡張を行ってはなりません。デバイス実装は、所属する組織に明確に関連付けられた名前空間を使用するインテント パターンを含んでも構いません。
この制約は、セクション 3.6 の Java 言語クラスに指定された制約と同様のものです。
3.2.3.4. ブロードキャスト インテント
サードパーティ アプリは、特定のインテントをブロードキャストしてハードウェアまたはソフトウェア環境の変更を通知する際、プラットフォームに依存します。Android 互換デバイスは、該当するシステム イベントに応じてパブリック ブロードキャスト インテントをブロードキャストしなければなりません。ブロードキャスト インテントについては、SDK のドキュメントに記載されています。
3.3. ネイティブ API の互換性
3.3.1 アプリケーション バイナリ インターフェース
Dalvik で動作するマネージド コードは、アプリの .apk ファイルで提供されるネイティブ コードを、該当のデバイス ハードウェア アーキテクチャ向けにコンパイルされた ELF .so ファイルとして呼び出すことができます。ネイティブ コードは基となるプロセッサ技術に大きく依存するため、Android では、Android NDK のファイル docs/CPU-ARCH-ABIS.html
で多数のアプリケーション バイナリ インターフェース(ABI)を定義しています。デバイス実装は、1 つ以上の定義済み ABI と互換性がある場合、以下に示すように Android NDK との互換性を実装するべきです。
Android ABI をサポートする場合、デバイス実装には以下の要件が求められます。
- 標準の Java Native Interface(JNI)セマンティクスを使用して、ネイティブ コードを呼び出すためにマネージド環境で動作するコードのサポートを含まなければなりません。
- 下記のリストにある各必須ライブラリに対して、ソース互換(つまりヘッダー互換)かつバイナリ互換(ABI 向け)でなければなりません。
android.os.Build.CPU_ABI
API を介して、デバイスがサポートするネイティブ アプリケーション バイナリ インターフェース(ABI)を正確に報告しなければなりません。- 最新バージョンの Android NDK のファイル
docs/CPU-ARCH-ABIS.txt
に記載されている ABI のみを報告しなければなりません。 - アップストリームの Android オープンソース プロジェクトで入手可能なソースコードとヘッダー ファイルを使用してビルドするべきです。
次のネイティブ コード API が、ネイティブ コードを含むアプリで使用可能でなければなりません。
- libc(C ライブラリ)
- libm(math ライブラリ)
- C++ の最小限のサポート
- JNI インターフェース
- liblog(Android ロギング)
- libz(Zlib 圧縮)
- libdl(ダイナミック リンカー)
- libGLESv1_CM.so(OpenGL ES 1.0)
- libGLESv2.so(OpenGL ES 2.0)
- libGLESv3.so(OpenGL ES 3.0)
- libEGL.so(ネイティブ OpenGL サーフェス管理)
- libjnigraphics.so
- libOpenSLES.so(OpenSL ES 1.0.1 オーディオ サポート)
- libOpenMAXAL.so(OpenMAX AL 1.0.1 サポート)
- libandroid.so(ネイティブ Android アクティビティ サポート)
- 以下で説明する OpenGL のサポート
なお、Android NDK の将来のリリースで、追加の ABI のサポートが導入される可能性があります。デバイス実装では、既存の定義済み ABI と互換性がない場合、いかなる ABI のサポートについてもレポートしてはなりません。
なお、デバイス実装は、libGLESv3.so を含まなければならず、libGLESv2.so への symlink(シンボリック リンク)を持たなければなりません。OpenGL ES 3.0 のサポートを宣言するデバイス実装では、libGLESv2.so は OpenGL ES 2.0 の関数シンボルに加えて OpenGL ES 3.0 の関数シンボルをエクスポートしなければなりません。
ネイティブ コードの互換性は難しい問題です。非常に重要であるため、デバイス実装者には、互換性を確保するために上記のライブラリのアップストリーム実装を使用することが強く推奨されます。
3.4. ウェブの互換性
3.4.1. WebView の互換性
Android オープンソース実装は、WebKit レンダリング エンジンを使用して android.webkit.WebView
[参考資料、10] を実装します。ウェブ レンダリング システムの包括的なテストスイートを開発することは現実的でないため、デバイス実装者は、WebView 実装で WebKit の特定のアップストリーム ビルドを使用しなければなりません。詳細は以下のとおりです。
- デバイス実装の
android.webkit.WebView
実装は、Android 4.3 用のアップストリームの Android オープンソース ツリーに含まれる 534.30 WebKit ビルドに基づいていなければなりません。このビルドには、WebView の特定の機能セットとセキュリティ修正が含まれています。デバイス実装者は WebKit 実装のカスタマイズを含めても構いません。ただし、そのようなカスタマイズで WebView の動作(レンダリング動作など)を変更してはなりません。 - WebView が報告するユーザー エージェント文字列は、次の形式でなければなりません。
Mozilla/5.0 (Linux; U; Android $(VERSION); $(LOCALE); $(MODEL) Build/$(BUILD)) AppleWebKit/534.30 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/534.30
- $(VERSION) 文字列の値は、
android.os.Build.VERSION.RELEASE
の値と同じでなければなりません。 - $(LOCALE) 文字列の値は、国コードと言語に関する ISO 規則に従うべきであり、デバイスの現在構成されているロケールを参照すべきです。
- $(MODEL) 文字列の値は、
android.os.Build.MODEL
の値と同じでなければなりません。 - $(BUILD) 文字列の値は、
android.os.Build.ID
の値と同じでなければなりません。 - デバイス実装は、ユーザー エージェント文字列内の
Mobile
を省略しても構いません。
- $(VERSION) 文字列の値は、
WebView コンポーネントは、可能な限り HTML5 [参考資料、11] をサポートすべきです。少なくとも、デバイス実装は WebView の HTML5 に関連する以下の API をそれぞれサポートしなければなりません。
さらに、デバイス実装は、HTML5/W3C の webstorage API [参考資料、15] をサポートしなければならず、HTML5/W3C の IndexedDB API [参考資料、16] をサポートするべきです。なお、ウェブ開発標準化団体が webstorage よりも IndexedDB を優先するようになっているため、将来の Android バージョンでは IndexedDB が必須コンポーネントになると見込まれます。
すべての JavaScript API と同様に、WebView では HTML5 API をデフォルトで無効にしなければなりません。ただし、デベロッパーが通常の Android API を介して明示的に有効にする場合を除きます。
3.4.2. ブラウザの互換性
デバイス実装では、一般ユーザーのウェブ ブラウジング用のスタンドアロン ブラウザアプリを配置しなければなりません。スタンドアロン ブラウザは、WebKit 以外のブラウザ技術に基づくものでも構いません。ただし、代替ブラウザアプリを使用する場合でも、サードパーティ アプリに提供する android.webkit.WebView
コンポーネントは、セクション 3.4.1 に記載されているように、WebKit に基づくものでなければなりません。
実装では、スタンドアロン ブラウザアプリでカスタムのユーザー エージェント文字列を送信しても問題ありません。
スタンドアロン ブラウザアプリは(アップストリームの WebKit ブラウザアプリとサードパーティの代替アプリのどちらに基づくものかにかかわらず)、可能な限り HTML5 [参考資料、11] をサポートするべきです。少なくとも、デバイス実装は HTML5 に関連する以下の API をそれぞれサポートしなければなりません。
さらに、デバイス実装は、HTML5/W3C の webstorage API [参考資料、15] をサポートしなければならず、HTML5/W3C の IndexedDB API [参考資料、16] をサポートするべきです。なお、ウェブ開発標準化団体が webstorage よりも IndexedDB を優先するようになっているため、将来の Android バージョンでは IndexedDB が必須コンポーネントになると見込まれます。
3.5. API 動作の互換性
各 API タイプ(マネージド、ソフト、ネイティブ、ウェブ)の動作は、アップストリームの Android オープンソース プロジェクト [参考資料、3] の優先実装と一貫性がなければなりません。互換性の具体的な内容には、次のようなものがあります。
- デバイスによる、標準的なインテントの動作またはセマンティクスの変更を回避しなければなりません。
- デバイスによる、特定のタイプのシステム コンポーネント(Service、Activity、ContentProvider など)のライフサイクルまたはライフサイクル セマンティクスの変更は回避しなければなりません。
- デバイスによる標準権限のセマンティクスの変更を回避しなければなりません。
上記のリストはすべてを網羅しているわけではありません。互換性テストスイート(CTS)は、動作の互換性についてプラットフォームの大部分をテストしますが、すべてではありません。Android オープンソース プロジェクトとの動作の互換性を確保することは、実装者の責任です。このため、デバイス実装者は、システムの重要な部分を再実装するのではなく、可能であれば Android オープンソース プロジェクトを介して入手可能なソースコードを使用するべきです。
3.6. API 名前空間
Android は、Java プログラミング言語で定義されたパッケージとクラスの名前空間規則に従います。サードパーティ アプリとの互換性を確保するために、デバイス実装者は、次のパッケージ名前空間に対して禁止されている変更(下記参照)を行ってはなりません。
- java.*
- javax.*
- sun.*
- android.*
- com.android.*
次の変更は禁止されます。
- デバイス実装は、メソッド シグネチャかクラス シグネチャを変更することで、またはクラスかクラス フィールドを削除することで、Android プラットフォームで一般公開されている API を変更してはなりません。
- デバイス実装者は API の基盤となる実装を変更しても構いませんが、その変更は、一般公開されている API の所定の動作と Java 言語シグネチャに影響を及ぼしてはなりません。
- デバイス実装者は、一般公開されている要素(クラスまたはインターフェース、あるいは既存のクラスまたはインターフェースのフィールドまたはメソッドなど)を上記の API に追加してはなりません。
「一般公開されている要素」とは、アップストリームの Android ソースコードで使用されている「@hide」マーカーで装飾されていない構成要素のことです。つまり、デバイス実装者は、上記の名前空間で新しい API を公開する、または既存の API を変更することを回避しなければなりません。デバイス実装者は、内部のみの変更を行っても構いませんが、その変更をアドバタイズしたり、デベロッパーに公開したりしてはなりません。
デバイス実装者がカスタム API を追加することは問題ありませんが、そのような API は、別の組織が所有または参照している名前空間に存在してはなりません。たとえば、デバイス実装者は、com.google.* またはそれと似た名前空間に API を追加してはなりません。これを行えるのは Google のみです。同様に、Google は他社の名前空間に API を追加してはなりません。さらに、デバイス実装が標準の Android 名前空間の外部にあるカスタム API を含んでいる場合、そのような API は Android 共有ライブラリにパッケージ化しなければなりません。これは、そのような API を(<uses-library>
メカニズムを介して)明示的に使用するアプリのみが、それらの API によるメモリ使用量増加の影響を受けるようにするためです。
デバイス実装者が上記パッケージ空間のいずれかの改善(既存の API に便利な新機能を追加する、新しい API を追加するなど)を提案する場合、実装者は source.android.com にアクセスし、サイトに記載されている情報に従って、変更とコードに貢献するプロセスを開始するべきです。
なお、上記の制限は、Java プログラミング言語の標準的な API 命名規則に対応しています。このセクションは、この互換性定義に含めることでそれらの規則を補強し、拘束力を持たせることのみを目的としています。
3.7. 仮想マシンの互換性
デバイス実装は、Dalvik Executable(DEX)バイトコード仕様全体と Dalvik 仮想マシンのセマンティクス [参考資料、17] をサポートしなければなりません。
デバイス実装は、アップストリームの Android プラットフォームに合わせて、以下の表に示すようにメモリが割り当てられるよう Dalvik を構成しなければなりません(画面サイズと画面密度の定義については、セクション 7.1.1 をご覧ください)。
なお、下記のメモリ値は最小値とみなされます。デバイス実装は、各アプリにより多くのメモリを割り当てても構いません。
画面サイズ | 画面密度 | アプリケーション メモリ |
small / normal / large | ldpi / mdpi | 16MB |
small / normal / large | tvdpi / hdpi | 32 MB |
small / normal / large | xhdpi | 64 MB |
xlarge | mdpi | 32 MB |
xlarge | tvdpi / hdpi | 64 MB |
xlarge | xhdpi | 128 MB |
3.8. ユーザー インターフェースの互換性
3.8.1. ランチャー(ホーム画面)
Android 4.3 はランチャー アプリ(ホーム画面)を含んでおり、デバイス ランチャー(ホーム画面)を置き換えるサードパーティ アプリをサポートします。サードパーティ アプリにデバイスのホーム画面の置き換えを許可するデバイス実装は、プラットフォーム機能 android.software.home_screen
を宣言しなければなりません。
3.8.2. ウィジェット
Android では、アプリが「AppWidget」をエンドユーザーに公開するためのコンポーネント タイプと、それに対応する API およびライフサイクルを定義しています [参考資料、18]。ホーム画面へのウィジェットの埋め込みをサポートするデバイス実装は、以下の要件を満たすとともに、プラットフォーム機能 android.software.app_widgets
のサポートを宣言しなければなりません。
- デバイスのランチャーは、AppWidget の組み込みのサポートを含まなければならず、ランチャー内で直接 AppWidget を追加、構成、表示、削除するユーザー インターフェース アフォーダンスを公開しなければなりません。
- デバイス実装は、標準グリッドサイズで 4 x 4 のウィジェットをレンダリングできなければなりません(詳しくは、Android SDK ドキュメントのアプリ ウィジェット設計ガイドライン [参考資料、18] をご覧ください)。
- ロック画面のサポートを含むデバイス実装は、ロック画面上のアプリ ウィジェットをサポートしなければなりません。
3.8.3. 通知
Android には、デベロッパーがデバイスのハードウェア機能とソフトウェア機能を使用して重要なイベントをユーザーに通知 [参考資料、19] するための API が含まれています。
一部の API では、ハードウェア(具体的にはサウンド、バイブレーション、ライト)を使用して、通知を行う、またはユーザーの注意を引くことができます。デバイス実装は、SDK ドキュメントに記載されているように、またデバイス実装ハードウェアで可能な範囲で、ハードウェア機能を使用する通知をサポートしなければなりません。たとえば、デバイス実装がバイブレーターを含む場合は、バイブレーション API を正しく実装しなければなりません。デバイス実装にハードウェアがない場合、対応する API を NoOps として実装しなければなりません。この動作の詳細については、セクション 7 をご覧ください。
さらに、実装は、API [参考資料、20] で提供されるか、ステータスバー / システムバー アイコンのスタイルガイド [参考資料、21] に記載されているすべてのリソース(アイコンやサウンド ファイルなど)を正しくレンダリングしなければなりません。デバイス実装者は、リファレンス Android オープンソース実装で提供されているものとは異なるユーザー エクスペリエンスを通知で提供しても構いません。ただし、そのような代替通知システムは、上記のように既存の通知リソースをサポートしなければなりません。
Android 4.3 には、リッチ通知(進行中の通知のインタラクティブなビューなど)のサポートが含まれています。デバイス実装は、Android API ドキュメントに記載されているように、リッチ通知を適切に表示し、実行しなければなりません。
3.8.4. 検索
Android には、デベロッパーがアプリに検索を組み込んでアプリのデータをグローバル システム検索に公開するための API [参考資料、22] が含まれています。一般に、この機能はシステム全体にわたる単一のユーザー インターフェースで構成されており、ユーザーがクエリを入力し、その入力に対して候補を示して結果を表示できるようになっています。Android API を使用すると、デベロッパーは、このインターフェースを再利用して独自のアプリ内で検索を提供でき、共通のグローバル検索ユーザー インターフェースに結果を供給できます。
デバイス実装は、ユーザー入力に応じたリアルタイムでの検索候補表示が可能で、システム全体にわたる単一の共有検索ユーザー インターフェースを含まなければなりません。デベロッパーがこのユーザー インターフェースを再利用してアプリ内での検索を提供できる API を実装しなければなりません。サードパーティ アプリがグローバル検索モードで実行されたときに検索候補を検索ボックスに追加できる API を実装しなければなりません。この機能を利用するサードパーティ アプリがインストールされていない場合、デフォルトの動作として、ウェブ検索エンジンの結果と検索候補を表示するべきです。
3.8.5. トースト
アプリは、「トースト」API([参考資料、23] で定義)を使用して、短時間で消える短い非モーダル文字列をエンドユーザーに表示できます。デバイス実装は、アプリからエンドユーザーへのトーストを、なんらかの目立つ方法で表示しなければなりません。
3.8.6. テーマ
Android は、アプリがアクティビティまたはアプリ全体にスタイルを適用するためのメカニズムとして「テーマ」を提供しています。Android 4.3 には、アプリ デベロッパーが Android SDK で定義されている Holo(Holographic)テーマのデザインに合わせたい場合に使用できる定義済みスタイルのセットとして、Holo テーマが含まれています [参考資料、24]。デバイス実装は、アプリに対して公開されている Holo テーマ属性を一切変更してはなりません [参考資料、25]。
Android 4.3 には、アプリ デベロッパーがデバイス実装者によって定義されたデバイステーマのデザインに合わせたい場合に使用できる定義済みスタイルのセットとして、新しい DeviceDefault テーマが用意されています。デバイス実装は、アプリに対して公開されている DeviceDefault テーマの属性を変更しても構いません [参考資料、25]。
3.8.7. ライブ壁紙
Android では、アプリで 1 つ以上の「ライブ壁紙」[参考資料、26] をエンドユーザーに公開できるようにするためのコンポーネント タイプと、対応する API およびライフサイクルを定義しています。ライブ壁紙とは、入力機能が制限されたアニメーションやパターンなどの画像で、壁紙として他のアプリの背後に表示されるものです。
ハードウェアは、他のアプリに悪影響を及ぼさず、妥当なフレームレートで、機能に制限なくすべてのライブ壁紙を実行できる場合、ライブ壁紙を確実に実行できるとみなされます。ハードウェアの制限によって、壁紙やアプリがクラッシュする、誤動作する、CPU やバッテリーを過剰に消費する、または許容できない低フレームレートで実行される場合、ハードウェアはライブ壁紙を実行できないとみなされます。たとえば、一部のライブ壁紙は、OpenGL 1.0 または 2.0 コンテキストを使用してコンテンツをレンダリングする場合があります。複数の OpenGL コンテキストをサポートしていないハードウェアでは、ライブ壁紙は確実には実行されません。OpenGL コンテキストを使用するライブ壁紙は、同様に OpenGL コンテキストを使用する別のアプリと競合する可能性があるからです。
上記のようにライブ壁紙を確実に実行できるデバイス実装では、ライブ壁紙を実装するべきです。上記のようにライブ壁紙を確実には実行しないと判断されたデバイス実装では、ライブ壁紙を実装してはなりません。
3.8.8. 最近使ったアプリの表示
アップストリームの Android 4.3 ソースコードには、ユーザーが最後にアプリを離れたときのアプリのグラフィック状態のサムネイル画像を使用して、最近使ったアプリを表示するユーザー インターフェースが含まれています。デバイス実装は、このユーザー インターフェースを変更または削除しても構いません。ただし、Android の将来のバージョンでは、この機能をより幅広く利用できるようにする予定です。デバイス実装は、最近使ったアプリについて、アップストリームの Android 4.3 ユーザー インターフェース(またはそれに似たサムネイル ベースのインターフェース)を使用することが強く推奨されます。そうしないと、将来のバージョンの Android との互換性が失われる可能性があります。
3.8.9. 入力管理
Android 4.3 には、入力管理およびサードパーティのインプット メソッド エディタのサポートが含まれています。ユーザーがデバイスでサードパーティの入力方法を使用できるようにするデバイス実装は、Android SDK ドキュメントで規定されているように、プラットフォーム機能 android.software.input_methods
を宣言し、IME API をサポートしなければなりません。
android.software.input_methods
機能を宣言するデバイス実装は、ユーザーによるアクセスが可能な、サードパーティの入力方法を追加および構成するメカニズムを提供しなければなりません。デバイス実装は、android.settings.INPUT_METHOD_SETTINGS
インテントに応じて設定インターフェースを表示しなければなりません。
3.8.10. ロック画面のメディア リモコン
Android 4.3 には、メディアアプリがデバイスのロック画面などのリモートビューに表示される再生コントロールと統合できる Remote Control API のサポートが含まれています [参考資料、74]。デバイスのロック画面をサポートし、ユーザーによるホーム画面へのウィジェットの追加を許可するデバイス実装では、デバイスのロック画面へのリモコンの埋め込みをサポートしなければなりません [参考資料、69]。
3.8.11. Dreams
Android 4.3 には、Dreams [参考資料、76] という名前のインタラクティブなスクリーンセーバーのサポートが含まれています。Dreams を使用すると、充電中のデバイスがアイドル状態のときや卓上ホルダーにドッキングされているときに、ユーザーがアプリを操作できます。デバイス実装には、Dreams をサポートし、ユーザーが Dreams を構成するための設定オプションが用意されていなければなりません。
3.9 デバイス管理
Android 4.3 には、セキュリティ対応アプリが Android Device Administration API [参考資料、27] を介してシステムレベルでデバイス管理機能(パスワード ポリシーの適用やリモートワイプの実施など)を実行できる機能があります。デバイス実装は、DevicePolicyManager
クラス [参考資料、28] の実装を提供しなければなりません。ロック画面のサポートを含むデバイス実装は、Android SDK ドキュメント [参考資料、27] で規定されているすべてのデバイス管理ポリシーをサポートしなければなりません。
3.10 ユーザー補助
Android 4.3 は、障がいのあるユーザーがより簡単にデバイスを操作するためのユーザー補助レイヤを提供しています。さらに、Android 4.3 は、ユーザー補助サービス実装がユーザー イベントとシステム イベントのコールバックを受信し、代替フィードバック メカニズム(テキスト読み上げ、触覚フィードバック、トラックボール / D-pad ナビゲーションなど)を生成できるプラットフォーム API を提供しています [参考資料、29]。デバイス実装は、デフォルトの Android 実装と整合する Android ユーザー補助フレームワークの実装を提供しなければなりません。具体的には、デバイス実装は次の要件を満たさなければなりません。
- デバイス実装は、
android.accessibilityservice
API を介してサードパーティのユーザー補助サービス実装をサポートしなければなりません [参考資料、30]。 - デバイス実装は、デフォルトの Android 実装との一貫性がある方法で、
AccessibilityEvents
を生成し、登録されているすべてのAccessibilityService
実装に該当イベントを配信しなければなりません。 - デバイス実装は、ユーザーによるアクセスが可能な、ユーザー補助サービスを有効または無効にするメカニズムを提供しなければならず、
android.provider.Settings.ACTION_ACCESSIBILITY_SETTINGS
インテントに応じてこのインターフェースを表示しなければなりません。
さらに、デバイス実装は、デバイスでユーザー補助サービスの実装を提供するべきであり、ユーザーがデバイスのセットアップ中にユーザー補助サービスを有効にするメカニズムを提供するべきです。ユーザー補助サービスのオープンソース実装は、Eyes Free プロジェクト [参考資料、31] から入手できます。
3.11 テキスト読み上げ
Android 4.3 には、アプリがテキスト読み上げ(TTS)サービスを利用できるようにするとともに、サービス プロバイダが TTS サービスの実装を提供できるようにする API が含まれています [参考資料、32]。デバイス実装は、Android TTS フレームワークに関連する以下の要件を満たさなければなりません。
- デバイス実装は、Android TTS フレームワーク API をサポートしなければならず、デバイスで利用可能な言語に対応した TTS エンジンを備えるべきです。なお、アップストリームの Android オープンソース ソフトウェアには、完全な機能を備えた TTS エンジン実装が含まれています。
- デバイス実装は、サードパーティ TTS エンジンのインストールをサポートしなければなりません。
- デバイス実装は、ユーザーがシステムレベルで使用する TTS エンジンを選択できる、ユーザーがアクセス可能なインターフェースを提供しなければなりません。
4. アプリ パッケージの互換性
デバイス実装は、公式の Android SDK に含まれる「aapt」ツールによって生成された Android「.apk」ファイルをインストールして実行しなければなりません [参考資料、33]。
デバイス実装は、.apk [参考資料、34]、Android マニフェスト [参考資料、35]、Dalvik バイトコード [参考資料、17]、RenderScript バイトコードのいずれの形式も、他の互換デバイスでファイルが正しくインストールおよび実行できなくなるような方法で拡張してはなりません。デバイス実装者は、Dalvik のリファレンス アップストリーム実装と、リファレンス実装のパッケージ管理システムを使用するべきです。
5. マルチメディアの互換性
デバイス実装は、少なくとも 1 つの形式のオーディオ出力(スピーカー、ヘッドフォン端子、外部スピーカー接続など)を含まなければなりません。
5.1. メディア コーデック
デバイス実装は、このドキュメントで明示的に許可されている場合を除き、Android SDK ドキュメントで規定されているコアメディア形式 [参考資料、58] をサポートしなければなりません。具体的には、デバイス実装は、以下の表で定義されているメディア形式、エンコーダ、デコーダ、ファイル形式、コンテナ形式をサポートしなければなりません。以下のすべてのコーデックは、Android オープンソース プロジェクトの優先 Android 実装でソフトウェア実装として提供されています。
Google とオープン ハンドセット アライアンスはいずれも、これらのコーデックがサードパーティの特許の制約を受けないという表明は一切していないため、ご注意ください。このソースコードをハードウェアまたはソフトウェア製品で使用しようとする場合は、このコード(オープンソース ソフトウェアまたはシェアウェアを含む)の実装に、該当の特許権者からの特許ライセンスが必要になることがあります。
なお、現在のデバイス ハードウェアは、関連する標準で規定されている必須ビットレートに正確にマッピングされるビットレートを必ずしもサポートしていないため、次の表には、ほとんどの動画コーデックについてビットレートの具体的な要件は記載されていません。代わりに、デバイス実装は、仕様で規定されている上限までの、ハードウェアで実現できる最も高いビットレートをサポートするべきです。
タイプ | 形式 / コーデック | エンコーダ | デコーダ | 詳細 | ファイル形式 / コンテナの形式 |
---|---|---|---|---|---|
オーディオ | MPEG-4 AAC プロファイル(AAC LC) | マイク ハードウェアを含み、android.hardware.microphone を定義するデバイス実装では必須 |
必須 | 標準サンプリング レート 8~48 kHz のモノラル / ステレオ / 5.0 / 5.1* コンテンツをサポート |
|
MPEG-4 HE AAC プロファイル(AAC+) | マイク ハードウェアを含み、android.hardware.microphone を定義するデバイス実装では必須 | 必須 | 標準サンプリング レート 16~48 kHz のモノラル / ステレオ / 5.0 / 5.1* コンテンツをサポート | ||
MPEG-4 HE AAC v2 プロファイル(Enhanced AAC+) | 必須 | 標準サンプリング レート 16~48 kHz のモノラル / ステレオ / 5.0 / 5.1* コンテンツをサポート | |||
MPEG-4 オーディオ オブジェクト タイプ ER AAC ELD(Enhanced Low Delay AAC) | マイク ハードウェアを含み、android.hardware.microphone を定義するデバイス実装では必須 | 必須 | 標準サンプリング レート 16~48 kHz のモノラル / ステレオ コンテンツをサポート。 | ||
AMR-NB | マイク ハードウェアを含み、android.hardware.microphone を定義するデバイス実装では必須 |
必須 | 8 kHz でサンプリングされた 4.75~12.2 kbps | 3GPP(.3gp) | |
AMR-WB | マイク ハードウェアを含み、android.hardware.microphone を定義するデバイス実装では必須 |
必須 | 16 kHz でサンプリングされた 6.60~23.85 kbps の 9 種類のレート | 3GPP(.3gp) | |
FLAC | 必須 (Android 3.1 以降) |
モノラル / ステレオ(マルチチャンネルはサポート対象外)。サンプルレートは最大 48 kHz(ただし、出力が 44.1 kHz のデバイスでは、48 kHz から 44.1 kHz へのダウンサンプラーにローパス フィルタが含まれないため、最大 44.1 kHz を推奨)。16 ビットを推奨(24 ビットにはディザが適用されない) | FLAC(.flac)のみ | ||
MP3 | 必須 | モノラル / ステレオの 8~320 Kbps 固定ビットレート(CBR)または可変ビットレート(VBR)。 | MP3(.mp3) | ||
MIDI | 必須 | MIDI タイプ 0 と 1。DLS バージョン 1 と 2。XMF と Mobile XMF。着信音形式 RTTTL/RTX、OTA、iMelody をサポート。 |
|
||
Vorbis | 必須 |
|
|||
PCM(WAVE) | 必須 | 必須 | 8 ビットと 16 ビットのリニア PCM**(最大レートはハードウェアの上限値)。デバイスは、Raw PCM 録音のサンプリング レートとして 8,000 Hz、16,000 Hz、44,100 Hz の周波数をサポートしなければなりません | WAVE(.wav) | |
画像 | JPEG | 必須 | 必須 | ベースラインとプログレッシブ | JPEG(.jpg) |
GIF | 必須 | GIF(.gif) | |||
PNG | 必須 | 必須 | PNG(.png) | ||
BMP | 必須 | BMP(.bmp) | |||
WebP | 必須 | 必須 | WebP(.webp) | ||
動画 | H.263 | カメラ ハードウェアを含み、android.hardware.camera または android.hardware.camera.front を定義するデバイス実装では必須 |
必須 |
|
|
H.264 AVC | カメラ ハードウェアを含み、android.hardware.camera または android.hardware.camera.front を定義するデバイス実装では必須 |
必須 | ベースライン プロファイル(BP) |
|
|
MPEG-4 SP | 必須 | 3GPP(.3gp) | |||
VP8 | 必須 (Android 4.3 以降) |
必須 (Android 2.3.3 以降) |
WebM(.webm)と Matroska(.mkv、Android 4.0 以降)*** |
- *注: 5.0 / 5.1 コンテンツのダウンミックスのみが必須です。2 チャンネルを超える録音またはレンダリングは任意です。
- **注: 16 ビット リニア PCM のキャプチャは必須です。8 ビット リニア PCM のキャプチャは必須ではありません。
- ***注: デバイス実装は、Matroska WebM ファイルの書き込みをサポートするべきです。
5.2 動画のエンコード
背面カメラを含み、android.hardware.camera
を宣言する Android デバイス実装は、以下の H.264 動画エンコード プロファイルをサポートするべきです。
SD(低画質) | SD(高画質) | HD(ハードウェアでサポートされている場合) | |
---|---|---|---|
動画の解像度 | 176 x 144 ピクセル | 480 x 360 ピクセル | 1,280 x 720 ピクセル |
動画のフレームレート | 12 fps | 30 fps | 30 fps |
動画のビットレート | 56 Kbps | 500 Kbps 以上 | 2 Mbps 以上 |
オーディオ コーデック | AAC-LC | AAC-LC | AAC-LC |
オーディオ チャンネル | 1(モノラル) | 2(ステレオ) | 2(ステレオ) |
オーディオ ビットレート | 24 Kbps | 128 Kbps | 192 Kbps |
背面カメラを含み、android.hardware.camera
を宣言する Android デバイス実装は、次の VP8 動画エンコード プロファイルをサポートするべきです。
SD(低画質) | SD(高画質) | HD 720p (ハードウェアでサポートされている場合) |
HD 1080p (ハードウェアでサポートされている場合) |
|
---|---|---|---|---|
動画の解像度 | 320 x 180 ピクセル | 640 x 360 ピクセル | 1,280 x 720 ピクセル | 1,920 x 1,080 px |
動画のフレームレート | 30 fps | 30 fps | 30 fps | 30 fps |
動画のビットレート | 800 Kbps | 2 Mbps | 4 Mbps | 10 Mbps |
5.3 動画のデコード
Android デバイス実装は、以下の VP8 および H.264 動画デコード プロファイルをサポートするべきです。
SD(低画質) | SD(高画質) | HD 720p (ハードウェアでサポートされている場合) |
HD 1080p (ハードウェアでサポートされている場合) |
|
---|---|---|---|---|
動画の解像度 | 320 x 180 ピクセル | 640 x 360 ピクセル | 1,280 x 720 ピクセル | 1,920 x 1,080 px |
動画のフレームレート | 30 fps | 30 fps | 30 fps | 30 fps |
動画のビットレート | 800 Kbps | 2 Mbps | 8 Mbps | 20 Mbps |
5.4. 音声録音
マイク ハードウェアを含み、android.hardware.microphone
を宣言するデバイス実装は、アプリが android.media.AudioRecord
API を使用して音声ストリームの記録を開始したとき、以下の各動作で音声をサンプリングして録音しなければなりません。
- デバイスは、ほぼ平坦な振幅周波数特性(具体的には ±3 dB、100 Hz~4,000 Hz)を示すべきです。
- 音声入力感度は、1,000 Hz で音圧レベル(SPL)90 dB の音源が 16 ビットサンプルで RMS 2,500 になるように設定するべきです。
- PCM 振幅レベルは、マイクでの 90 dB SPL から少なくとも 30 dB(-18 dB~+12 dB)の範囲で入力 SPL の変化を線形的にトラックするべきです。
- 高調波ひずみの合計は、90 dB SPL の入力レベルで 1 KHz に対して 1% 未満であるべきです。
アプリで android.media.MediaRecorder.AudioSource.VOICE_RECOGNITION
音源を使用して音声ストリームの記録を開始した場合、上記の録音仕様に加えて、以下の要件も適用されます。
- ノイズ リダクション処理が存在する場合は、無効にしなければなりません。
- 自動ゲイン コントロールが存在する場合は、無効にしなければなりません。
注: 上記の要件の一部は、Android 4.3 では「するべきである」(原文では「SHOULD」)と記載されていますが、将来のバージョンの互換性定義では「しなければならない」(原文では「MUST」)に変更される予定です。つまり、それらの要件は Android 4.3 では任意ですが、将来のバージョンでは必須になります。Android 4.3 を搭載した既存および新規のデバイスは、Android 4.3 でこれらの要件を満たすことが非常に強く推奨されます。そうしないと、将来のバージョンにアップグレードしたときに Android の互換性を確保できません。
5.5. オーディオ レイテンシ
オーディオ レイテンシとは、オーディオ信号がシステムを通過する際に発生する遅延時間のことです。多くの種類のアプリは、レイテンシを短くすることで、リアルタイムのサウンド エフェクトを実現しています。
このセクションの文脈では、次のように用語を定義しています。
- 「出力レイテンシ」は、アプリが PCM 符号化データフレームを書き込んでから、対応するサウンドが外部のリスナーに聞こえるかトランスデューサで検知されるまでの間隔として定義されます。
- 「コールド出力レイテンシ」は、リクエストの前にオーディオ出力システムがアイドル状態になり、電源がオフになっていたときの最初のフレームの出力レイテンシとして定義されます。
- 「連続出力レイテンシ」は、デバイスが音声を再生しているときの後続フレームの出力レイテンシとして定義されます。
- 「入力レイテンシ」は、外部のサウンドがデバイスに渡されてから、アプリが対応する PCM 符号化データフレームを読み取るまでの間隔です。
- 「コールド入力レイテンシ」は、リクエストの前に音声入力システムがアイドル状態になり、電源がオフになっていたときの、失われた入力時間と最初のフレームの入力レイテンシの合計として定義されます。
- 「連続入力レイテンシ」は、デバイスが音声をキャプチャしているときの後続フレームの入力レイテンシとして定義されます。
- 「OpenSL ES PCM バッファキュー API」は、Android NDK 内の PCM 関連の OpenSL ES API のセットです。NDK_root
/docs/opensles/index.html
をご覧ください。
セクション 5 に記載されているように、互換性のあるすべてのデバイス実装は、少なくとも 1 つの形式のオーディオ出力を含まなければなりません。デバイス実装は、以下の出力レイテンシの要件を満たすか、上回るべきです。
- 100 ミリ秒以下のコールド出力レイテンシ
- 連続出力レイテンシが 45 ミリ秒以下
デバイス実装は、OpenSL ES PCM バッファキュー API を使用する際の初期キャリブレーションの後でこのセクションの要件を満たす場合、少なくとも 1 つのサポートされているオーディオ出力デバイスの連続出力レイテンシとコールド出力レイテンシについて、android.content.pm.PackageManager
クラスにより機能「android.hardware.audio.low-latency」をレポートすることで、低レイテンシ オーディオのサポートをレポートしても構いません。[参考資料、37]。逆に、上記の要件を満たさない場合、デバイス実装は低レイテンシ オーディオのサポートを報告してはなりません。
セクション 7.2.5 に記載されているように、デバイス実装はマイク ハードウェアを省略しても構いません。
マイク ハードウェアを含み、android.hardware.microphone
を宣言するデバイス実装は、次の入力オーディオ レイテンシの要件を満たすべきです。
- 100 ミリ秒以下のコールド入力レイテンシ
- 50 ミリ秒以下の連続入力レイテンシ
5.6. ネットワーク プロトコル
デバイスは、Android SDK ドキュメント [参考資料、58] で規定されているとおり、オーディオと動画を再生するためにメディア ネットワーク プロトコルをサポートしなければなりません。具体的には、デバイスは次のメディア ネットワーク プロトコルをサポートしなければなりません。
- RTSP(RTP、SDP)
- HTTP(S) プログレッシブ ストリーミング
- HTTP(S) ライブ ストリーミング ドラフト プロトコル、バージョン 3 [参考資料、59]
6. デベロッパー ツールと開発者向けオプションの互換性
6.1 デベロッパー ツール
デバイス実装は、Android SDK で提供されている Android デベロッパー ツールをサポートしなければなりません。具体的には、Android 互換デバイスには、以下の対象との互換性がなければなりません。
- Android Debug Bridge(adb)[参考資料、33]
デバイス実装は、Android SDK ドキュメントに記載されているように、adb
のすべての機能をサポートしなければなりません。デバイス側のadb
デーモンはデフォルトで無効にしなければならず、ユーザーによるアクセス可能な、Android Debug Bridge をオンにするメカニズムが存在しなければなりません。 - Android 4.3 はセキュア adb をサポートしています。セキュア adb は、既知の認証済みホストで adb を有効にします。デバイス実装はセキュア adb をサポートしなければなりません。
- Dalvik Debug Monitor Service(ddms)[参考資料、33]
デバイス実装は、Android SDK ドキュメントに記載されているように、ddms
のすべての機能をサポートしなければなりません。ddms
はadb
を使用するため、上記のように、ddms
のサポートはデフォルトで無効にするべきですが、ユーザーが Android Debug Bridge を有効にした場合は必ずサポートしなければなりません。 - Monkey [参考資料、36]
デバイス実装は、Monkey フレームワークを含まなければならず、アプリから使用できるようにしなければなりません。 - Systrace [参考資料、33]
デバイス実装は、Android SDK ドキュメントに記載されているように、Systrace ツールをサポートしなければなりません。Systrace はデフォルトで無効でなければならず、ユーザーによるアクセスが可能な、Systrace をオンにするメカニズムがなければなりません。
ほとんどの Linux ベースのシステムと Apple Macintosh システムでは、標準の Android SDK ツールを使用して追加サポートなしで Android デバイスを認識します。ただし、Microsoft Windows システムには通常、新しい Android デバイス用のドライバが必要です(たとえば、新しいベンダー ID や新しいデバイス ID には、Windows システム用のカスタム USB ドライバが必要です)。デバイス実装が標準の Android SDK で提供される adb
ツールによって認識されない場合、デバイス実装者は、デベロッパーが adb
プロトコルを使用してデバイスに接続するための Windows ドライバを提供しなければなりません。これらのドライバは、32 ビット版と 64 ビット版の両方で、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 8 向けに提供されなければなりません。
6.2 開発者向けオプション
Android 4.3 では、デベロッパーがアプリ開発関連の設定を構成することがサポートされています。デバイス実装は、android.settings.APPLICATION_DEVELOPMENT_SETTINGS インテントを尊重して、アプリ開発関連の設定を表示しなければなりません [参考資料、77]。アップストリームの Android 実装では、開発者向けオプション メニューはデフォルトで非表示になっています。ユーザーは、[設定] > [デバイス情報] > [ビルド番号] メニュー アイテムを 7 回タップすると、開発者向けオプションを起動できます。デバイス実装は、開発者向けオプションについて一貫性のあるエクスペリエンスを提供しなければなりません。具体的には、デバイス実装は開発者向けオプションをデフォルトで非表示にしなければならず、アップストリームの Android 実装と整合する、開発者向けオプションを有効にするメカニズムを提供しなければなりません。
7. ハードウェアの互換性
サードパーティ デベロッパー向けの対応する API を持つ特定のハードウェア コンポーネントがデバイスに含まれている場合、デバイス実装は、Android SDK ドキュメントに記載されているように、その API を実装しなければなりません。任意であると表明されているハードウェア コンポーネントを SDK の API で操作し、デバイス実装がそのコンポーネントを保有していない場合、次の要件が適用されます。
- そのような場合でも、コンポーネントの API 用の完全なクラス定義(SDK ドキュメントに記載)が存在しなければなりません。
- API の動作は、なんらかの合理的な方法で NoOps として実装しなければなりません。
- API メソッドは、SDK ドキュメントで許可されている場合、null 値を返さなければなりません。
- API メソッドは、null 値が SDK ドキュメントで許可されていないクラスでは NoOps 実装を返さなければなりません。
- API メソッドは、SDK ドキュメントに記載されていない例外をスローしてはなりません。
これらの要件が適用されるシナリオの典型例は、テレフォニー API です。電話以外のデバイスであっても、これらの API を妥当な NoOps として実装しなければなりません。
デバイス実装は、android.content.pm.PackageManager
クラスの getSystemAvailableFeatures()
メソッドと hasSystemFeature(String)
メソッドを介して正確なハードウェア構成情報を正確にレポートしなければなりません。[参考資料、37]
7.1. ディスプレイとグラフィック
Android 4.3 には、さまざまなハードウェア構成でサードパーティ アプリが適切に動作するように、デバイスに合わせてアプリアセットと UI レイアウトを自動的に調整する機能があります [参考資料、38]。このセクションで詳述するように、デバイスはそのような API と動作を適切に実装しなければなりません。
このセクションの要件で言及する単位の定義は次のとおりです。
- 「物理的な対角サイズ」とは、ディスプレイの明るくなっている部分の 2 つの相対する隅の間の距離(インチ単位)です。
- 「dpi」(1 インチあたりのドット数)とは、長さが 1 インチの水平または垂直の直線で囲まれるピクセルの数です。dpi 値が記載されている場合は、水平方向と垂直方向の dpi がいずれも範囲内に収まらなければなりません。
- 「アスペクト比」とは、画面の長辺と短辺の比率です。たとえば、480x854 ピクセルのディスプレイでは、854/480 = 1.779 すなわち約「16:9」です。
- 「密度非依存ピクセル」(dp)は、160 dpi の画面に正規化された仮想ピクセル単位です。
pixels = dps * (density / 160)
として算出します。
7.1.1. 画面構成
画面サイズ
Android UI フレームワークはさまざまな画面サイズをサポートしており、アプリは android.content.res.Configuration.screenLayout
を使用して SCREENLAYOUT_SIZE_MASK
でデバイスの画面サイズ(または「画面レイアウト」)をクエリできます。デバイス実装は、Android SDK ドキュメント [参考資料、38] で規定されていてアップストリームの Android プラットフォームによって決定される正しい画面サイズを報告しなければなりません。具体的には、デバイス実装は、次の論理密度非依存ピクセル(dp)画面寸法に従って、正しい画面サイズを報告しなければなりません。
- デバイスの画面サイズは、426 dp x 320 dp(small)以上でなければなりません。
- 画面サイズが「normal」であると報告するデバイスは、画面サイズが少なくとも 480 dp x 320 dp でなければなりません。
- 画面サイズが「large」であると報告するデバイスは、画面サイズが少なくとも 640 dp x 480 dp でなければなりません。
- 画面サイズが「xlarge」であると報告するデバイスは、画面サイズが少なくとも 960 dp x 720 dp でなければなりません。
さらに、デバイスの画面サイズは、物理的な対角サイズが少なくとも 2.5 インチでなければなりません。
デバイスは、レポートされた画面サイズをいかなるときも変更してはなりません。
アプリは任意で、AndroidManifest.xml ファイルの <supports-screens>
属性を介して、サポートする画面サイズを示します。デバイス実装は、Android SDK ドキュメントに記載されているように、small、normal、large、xlarge の画面についてアプリが表明しているサポートを正しく尊重しなければなりません。
画面のアスペクト比
アスペクト比は、1.3333(4:3)から 1.85(16:9)の間でなければなりません。
画面密度
Android UI フレームワークは、アプリ デベロッパーがアプリリソースをターゲットにできるように、標準的な論理密度のセットを定義しています。デバイス実装は、android.util.DisplayMetrics
API を介して次のいずれかの論理 Android フレームワーク密度を報告しなければならず、その標準密度でアプリを実行しなければなりません。
- 120 dpi(「ldpi」)
- 160 dpi(「mdpi」)
- 213 dpi(「tvdpi」)
- 240 dpi(「hdpi」)
- 320 dpi(「xhdpi」と呼ばれます)
- 480 dpi(「xxhdpi」と呼ばれます)
- 640 dpi(「xxxhdpi」と呼ばれます)
7.1.2. ディスプレイの指標
デバイス実装は、android.util.DisplayMetrics
[参考資料、39] で規定されているすべてのディスプレイ指標について正しい値を報告しなければなりません。
7.1.3. 画面の向き
デバイスは、アプリによる動的な画面の向き(縦向きまたは横向き)の指定をサポートしなければなりません。つまり、デバイスは、特定の画面の向きに関するアプリのリクエストを尊重しなければなりません。デバイス実装は、横向きまたは縦向きのいずれかをデフォルトとして選択しても構いません。
デバイスは、android.content.res.Configuration.orientation、android.view.Display.getOrientation()、またはその他の API を介してクエリされた場合は常に、デバイスの現在の画面の向きについて、正しい値をレポートしなければなりません。
デバイスは、画面の向きを変更するときに、レポート対象の画面サイズまたは密度を変更してはなりません。
デバイスは、サポートする画面の向き(android.hardware.screen.portrait
もしくは android.hardware.screen.landscape
、またはその両方)を報告しなければならず、サポートする画面の向きを少なくとも 1 つ報告しなければなりません。たとえば、テレビやノートパソコンなど、画面が横向きに固定されているデバイスは、android.hardware.screen.landscape
のみを報告しなければなりません。
7.1.4. 2D と 3D のグラフィック アクセラレーション
デバイス実装は、Android SDK ドキュメントに具体的に詳述されているように、OpenGL ES 1.0 と 2.0 の両方をサポートしなければなりません。デバイス実装は、OpenGL ES 3.0 をサポートできるデバイスでは OpenGL ES 3.0 をサポートするべきです。デバイス実装は、Android SDK ドキュメント [参考資料、8] に詳述されているように、Android RenderScript もサポートしなければなりません。
また、デバイス実装は、OpenGL ES 1.0、OpenGL ES 2.0、または OpenGL ES 3.0 のサポートを正しく表明しなければなりません。これは次のことを意味します。
- マネージド API は(
GLES10.getString()
メソッドなどにより)OpenGL ES 1.0 と OpenGL ES 2.0 のサポートをレポートしなければなりません。 - ネイティブ C/C++ OpenGL API(つまり、libGLES_v1CM.so、libGLES_v2.so、または libEGL.so を介してアプリから使用できる API)は、OpenGL ES 1.0 と OpenGL ES 2.0 のサポートを報告しなければなりません。
- OpenGL ES 3.0 のサポートを宣言するデバイス実装は、OpenGL ES 3.0 マネージド API をサポートし、ネイティブ C/C++ API のサポートを含まなければなりません。OpenGL ES 3.0 のサポートを宣言するデバイス実装では、libGLESv2.so は OpenGL ES 2.0 の関数シンボルに加えて OpenGL ES 3.0 の関数シンボルをエクスポートしなければなりません。
デバイス実装は、任意の OpenGL ES 拡張機能を実装しても構いません。ただし、デバイス実装は、OpenGL ES マネージド API およびネイティブ API を介して、サポートする拡張機能の文字列をすべて報告しなければならず、逆に、サポートしない拡張機能の文字列を報告してはなりません。
なお、Android 4.3 では、アプリは特定の OpenGL テクスチャ圧縮形式を必要とすることを任意で指定できます。通常、それらの形式はベンダー固有です。Android 4.3 では、デバイス実装が特定のテクスチャ圧縮形式を実装することは必須ではありません。ただし、OpenGL API の getString()
メソッドを介して、サポートするテクスチャ圧縮形式を正確に報告するべきです。
Android 4.3 には、マニフェスト タグ android:hardwareAccelerated
または直接 API 呼び出しを使用して、アプリ、アクティビティ、ウィンドウ、またはビューのレベルで 2D グラフィックのハードウェア アクセラレーションを有効にすることをアプリが宣言するメカニズムがあります [参考資料、9]。
Android 4.3 では、デバイス実装はハードウェア アクセラレーションをデフォルトで有効にしなければならず、デベロッパーが android:hardwareAccelerated="false"
を設定するか、Android ビュー API で直接的にハードウェア アクセラレーションを無効にして、ハードウェア アクセラレーションの無効化をリクエストした場合は、無効にしなければなりません。
さらに、デバイス実装は、ハードウェア アクセラレーションに関する Android SDK ドキュメント [参考資料、9] の記述と整合する動作を行わなければなりません。
Android 4.3 には、デベロッパーがハードウェア アクセラレーションの OpenGL ES テクスチャを UI 階層のレンダリング ターゲットとして直接統合するための TextureView
オブジェクトが含まれています。デバイス実装は TextureView
API をサポートしなければならず、アップストリームの Android 実装と整合する動作を行わなければなりません。
Android 4.3 には、EGLConfig 属性 EGL_ANDROID_RECORDABLE
のサポートが含まれています。この属性は、画像を動画に記録する ANativeWindow へのレンダリングを EGLConfig がサポートするかどうかを示します。デバイス実装は EGL_ANDROID_RECORDABLE
拡張機能 [参考資料、79] をサポートしなければなりません。
7.1.5. レガシーアプリの互換モード
Android 4.3 では、以前の画面サイズに依存しない Andrdoid の旧バージョン向けに開発されていないレガシーアプリを活用するために、フレームワークが「標準」画面サイズ相当(幅 320 dp)のモードで動作する「互換モード」を規定しています。デバイス実装は、アップストリームの Android オープンソース コードで実装されたレガシーアプリ互換モードのサポートを含まなければなりません。つまり、デバイス実装は、互換モードが有効化されるトリガーまたはしきい値を変更してはならず、互換モード自体の動作を変更してはなりません。
7.1.6. 画面のタイプ
デバイス実装の画面は、次の 2 つのタイプのいずれかに分類されます。
- 固定ピクセル ディスプレイ実装: 画面は、単一のピクセルの幅と高さのみをサポートする単一パネルです。一般的に、画面はデバイスと物理的に統合されています。例としては、スマートフォン、タブレットなどがあります。
- 可変ピクセル ディスプレイ実装: このデバイス実装は、埋め込み画面がなくディスプレイ用の VGA、HDMI、ワイヤレス ポートなどの動画出力ポートを備えているか、ピクセル寸法を変更できる埋め込み画面を備えています。例としては、テレビやセットトップ ボックスなどがあります。
固定ピクセル デバイス実装
固定ピクセル デバイス実装は、この互換性定義で規定されている要件を満たしていれば、任意のピクセル寸法の画面を使用しても構いません。
固定ピクセルの実装は、外部ディスプレイで使用する動画出力ポートを含めても問題ありません。ただし、そのディスプレイをアプリの実行に使用する場合、デバイスは次の要件を満たさなければなりません。
- デバイスは、セクション 7.1.1 および 7.1.2 で詳述するように、固定ピクセル ディスプレイと同じ画面構成とディスプレイ指標をレポートしなければなりません。
- デバイスは、固定ピクセル ディスプレイと同じ論理密度をレポートしなければなりません。
- デバイスは、固定ピクセル ディスプレイと同じ画面サイズか、非常に近い画面サイズをレポートしなければなりません。
たとえば、対角サイズが 7 インチで、解像度が 1,024 x 600 ピクセルのタブレットは、固定ピクセルの large mdpi ディスプレイの実装とみなされます。720p または 1080p で表示される動画出力ポートが含まれる場合、デバイス実装は、固定ピクセル ディスプレイまたは動画出力ポートが使用中であるかどうかにかかわらず、アプリケーションが large mdpi ウィンドウでのみ実行されるように、出力の調整をしなければなりません。
可変ピクセル デバイス実装
可変ピクセル デバイス実装は、1280x720 と 1920x1080(つまり 720p と 1080p)の両方またはいずれかをサポートしなければなりません。可変ピクセル ディスプレイを備えたデバイス実装は、他のいかなる画面構成またはモードもサポートしてはなりません。可変ピクセル画面を備えたデバイス実装は、実行時または起動時に画面構成またはモードを変更しても構いません。たとえば、セットトップ ボックスのユーザーが 720p のディスプレイを 1080p のディスプレイに交換し、それに応じてデバイス実装で調整を行うことが可能です。
さらに、可変ピクセル デバイス実装は、これらのピクセル寸法について以下の構成バケットを報告しなければなりません。
- 1280x720(720p): 「large」画面サイズ、「tvdpi」(213 dpi)密度
- 1920x1080(1080p): 「large」画面サイズ、「xhdpi」(320 dpi)密度
つまり、Android 4.3 では、可変ピクセル寸法のデバイス実装は 720p または 1080p に制限され、上記の画面サイズと密度のバケットを報告するように構成しなければなりません。
7.1.7. 画面技術
Android プラットフォームには、アプリがリッチ グラフィックをディスプレイにレンダリングするための API が含まれています。デバイスは、このドキュメントで具体的に例外が許可されていない限り、Android SDK で定義されているそれらの API をすべてサポートしなければなりません。詳細は以下のとおりです。
- デバイスは、16 ビットカラー グラフィックをレンダリングできるディスプレイをサポートしなければならず、24 ビットカラー グラフィックに対応したディスプレイをサポートするべきです。
- デバイスは、アニメーションをレンダリングできるディスプレイをサポートしなければなりません。
- 使用するディスプレイ技術のピクセル アスペクト比(PAR)は、0.9~1.1 でなければなりません。つまり、ピクセル アスペクト比は、許容差が 10% のほぼ正方形(1.0)でなければなりません。
7.1.8. 外部ディスプレイ
Android 4.3 にはセカンダリ ディスプレイのサポートが含まれており、メディア共有機能と、外部ディスプレイにアクセスするためのデベロッパー API を有効にできます。デバイスが有線、無線、または埋め込み式の追加ディスプレイ接続を介して外部ディスプレイをサポートする場合、デバイス実装は、Android SDK ドキュメントに記載されているように、ディスプレイ マネージャー API を実装しなければなりません [参考資料、75]。デバイス実装は、セキュア動画出力をサポートしてセキュア サーフェスに対応できる場合、Display.FLAG_SECURE
のサポートを宣言しなければなりません。具体的には、Display.FLAG_SECURE
のサポートを宣言するデバイス実装は、Miracast ワイヤレス ディスプレイの場合は HDCP 2.x 以降、有線ディスプレイの場合は HDCP 1.2 以降をサポートしなければなりません。アップストリームの Android オープンソース実装は、この要件を満たすワイヤレス(Miracast)ディスプレイと有線(HDMI)ディスプレイをサポートしています。
7.2. 入力デバイス
7.2.1. キーボード
デバイス実装には以下の要件が適用されます。
- http://developer.android.com に詳述されているように、サードパーティ デベロッパーがソフト キーボードなどの入力管理エンジンを作成できる入力管理フレームワークをサポートしなければなりません。
- (ハード キーボードが存在するかどうかにかかわらず)少なくとも 1 つのソフト キーボード実装を提供しなければなりません。
- 追加のソフト キーボード実装を含んでも構いません。
- ハードウェア キーボードを含んでも構いません。
android.content.res.Configuration.keyboard
[参考資料、40] で規定されている形式(QWERTY または 12 キー)のいずれかと一致しないハードウェア キーボードを含んではなりません。
7.2.2. タップ以外のナビゲーション
デバイス実装には以下の要件が適用されます。
- タップ以外のナビゲーション オプション(つまり、トラックボール、D-pad、ホイール)を省略しても構いません。
android.content.res.Configuration.navigation
[参考資料、40] の正しい値を報告しなければなりません。- 入力管理エンジンと互換性のある、テキストの選択と編集のための妥当な代替ユーザー インターフェース メカニズムを提供しなければなりません。アップストリームの Android オープンソース実装には、タップ以外のナビゲーション入力がないデバイスでの使用に適した選択メカニズムが含まれています。
7.2.3. ナビゲーション キー
ホーム機能、メニュー機能、戻る機能は、Android のナビゲーション パラダイムに不可欠です。デバイス実装は、ユーザーがアプリを実行するときは常にこれらの機能を利用できるようにしなければなりません。これらの機能は、専用の物理ボタン(機械式または静電容量方式のタッチボタンなど)を使用して実装しても構いません。または、専用のソフトウェア キー、ジェスチャー、タッチパネルなどを使用して実装しても構いません。Android 4.3 はこれらの実装を両方ともサポートします。
Android 4.3 には、アシスト アクションのサポートが含まれています [参考資料、63]。デバイス実装は、ユーザーがアプリを実行するときは常にアシスト アクションを利用できるようにしなければなりません。この機能は、ハードウェア キーまたはソフトウェア キーを使用して実装しても構いません。
デバイス実装は、ナビゲーション キーを表示するために画面の区分けされた部分を使用しても構いませんが、その場合は以下の要件を満たさなければなりません。
- デバイス実装のナビゲーション キーは、画面内のアプリが利用できない区分けされた部分を使用しなければなりません。また、画面内のアプリが利用できる部分を隠したり、その他の方法で利用を妨げたりしてはなりません。
- デバイス実装は、セクション 7.1.1 で規定されている要件を満たすアプリがディスプレイの一部を利用できるようにしなければなりません。
- デバイス実装は、アプリがシステム UI モードを指定していない場合、または
SYSTEM_UI_FLAG_VISIBLE
を指定している場合には、ナビゲーション キーを表示しなければなりません。 - デバイス実装は、アプリが
SYSTEM_UI_FLAG_LOW_PROFILE
を指定している場合、ナビゲーション キーを目立たない「ロー プロファイル」(例: グレー表示)モードで表示しなければなりません。 - デバイス実装は、アプリが
SYSTEM_UI_FLAG_HIDE_NAVIGATION
を指定している場合、ナビゲーション キーを非表示にしなければなりません。 - デバイス実装は、targetSdkVersion が 10 以下の場合はアプリにメニューキーを表示しなければならず、targetSdkVersion が 10 を超える場合はメニューキーを表示するべきではありません。
7.2.4. タッチスクリーン入力
デバイス実装は、なんらかの種類のポインタ入力(マウスのような入力またはタップ入力)システムを含むべきです。ただし、デバイス実装がポインタ入力システムをサポートしていない場合は、android.hardware.touchscreen
または android.hardware.faketouch
機能定数を報告してはなりません。ポインタ入力システムを含むデバイス実装には、以下の要件が適用されます。
- デバイス入力システムが複数のポインタをサポートする場合は、完全に独立してトラッキングされるポインタをサポートするべきです。
- デバイス上の具体的なタッチスクリーンの種類に対応する
android.content.res.Configuration.touchscreen
の値 [参考資料、40] をレポートしなければなりません。
Android 4.3 には、さまざまなタッチ スクリーン、タッチパッド、疑似タップ入力デバイスのサポートが含まれています。タッチ スクリーン ベースのデバイス実装は、画面上のアイテムを直接操作しているような印象をユーザーに与えるディスプレイ [参考資料、81] に関連付けられます。ユーザーが画面に直接触れているので、システムは操作中のオブジェクトを示す追加のアフォーダンスを必要としません。これに対して、疑似タップ インターフェースは、タッチスクリーン機能のサブセットに似たユーザー入力システムを提供します。たとえば、画面上のカーソルを操作するマウスまたはリモコンはタップに似ていますが、ユーザーは最初にポイントするかフォーカスしてからクリックする必要があります。擬似タップ インターフェースをサポートできる入力デバイスは、マウス、トラックパッド、ジャイロベースのエアマウス、ジャイロポインタ、ジョイスティック、マルチタッチ トラックパッドなど、数多くあります。Android 4.0 には機能定数 android.hardware.faketouch
が含まれています。これは、タップベースの入力を適切にエミュレートできるマウスやトラックパッドなどの忠実度の高い非タッチ式(つまりポインタベース)の入力デバイス(基本的なジェスチャー サポートを含む)に対応しており、デバイスがタッチスクリーン機能のサブセットをエミュレートすることを示します。疑似タップ機能を宣言するデバイス実装は、セクション 7.2.5 の疑似タップの要件を満たさなければなりません。
デバイス実装は、使用される入力のタイプに対応する正しい機能を報告しなければなりません。タッチスクリーン(シングルタッチ以上)を含むデバイス実装は、プラットフォーム機能定数 android.hardware.touchscreen
をレポートしなければなりません。プラットフォーム機能定数 android.hardware.touchscreen
をレポートするデバイス実装は、プラットフォーム機能定数 android.hardware.faketouch
もレポートしなければなりません。タッチスクリーンを含まない(そしてポインタ デバイスのみに依存する)デバイス実装は、タッチスクリーン機能を報告してはならず、セクション 7.2.5 に記載されている疑似タップの要件を満たす場合は android.hardware.faketouch
のみを報告しなければなりません。
7.2.5. 疑似タップ入力
android.hardware.faketouch
のサポートを宣言するデバイス実装には、以下の要件が適用されます。
- ポインタ位置の絶対 X 画面位置と絶対 Y 画面位置を報告し、画面上にビジュアル ポインタを表示しなければなりません [参考資料、80]。
- ポインタが画面上を
down
またはup
するときに発生する状態変化を指定するアクション コード [参考資料、80] で、タッチイベントをレポートしなければなりません [参考資料、80]。 - ユーザーが画面上のオブジェクトに対するタップをエミュレートできるように、画面上のオブジェクトに対するポインタの
down
とup
をサポートしなければなりません。 - ユーザーが画面上のオブジェクトに対するダブルタップをエミュレートできるように、時間しきい値内で、画面上のオブジェクトに対する同じ場所でのポインタの
down
、up
、およびdown
からのup
をサポートしなければなりません [参考資料、80]。 - ユーザーがタップドラッグをエミュレートできるように、画面上の任意の点におけるポインタの
down
、画面上の他の任意の点へのポインタ移動、その後のポインタのup
をサポートしなければなりません。 - ユーザーが画面上のオブジェクトをフリングできるように、ポインタの
down
をサポートし、ユーザーがオブジェクトを画面上の別の位置にすばやく移動してから画面上でポインタをup
できるようにしなければなりません。
android.hardware.faketouch.multitouch.distinct
のサポートを宣言するデバイスは、上記の疑似タップの要件を満たさなければならず、2 つ以上の独立したポインタ入力の個別のトラッキングもサポートしなければなりません。
7.2.6. マイク
デバイス実装はマイクを省略しても構いません。ただし、デバイス実装がマイクを省略する場合は、android.hardware.microphone
機能定数を報告してなはらず、セクション 7 に記載されているように、音声録音 API を NoOps として実装しなければなりません。これに対して、マイクを備えたデバイス実装には、以下の要件が適用されます。
android.hardware.microphone
機能定数をレポートしなければなりません。- セクション 5.4 に記載されている音質の要件を満たすべきです。
- セクション 5.5 に記載されているオーディオ レイテンシの要件を満たすべきです。
7.3. センサー
Android 4.3 には、さまざまなセンサータイプにアクセスするための API が含まれています。一般的には、デバイス実装は以降のサブセクションに記載されているセンサーを省略しても構いません。サードパーティ デベロッパー向けの対応する API を持つ特定のタイプのセンサーがデバイスに搭載されている場合、デバイス実装では、Android SDK ドキュメントに記載されているとおり、対象の API を実装しなければなりません。たとえば、デバイス実装には以下の要件が適用されます。
android.content.pm.PackageManager
クラスに基づいて、センサーの有無を正確に報告しなければなりません。[参考資料、37]SensorManager.getSensorList()
または同様のメソッドを使用して、サポートされているセンサーの正確なリストを返さなければなりません。- 他のすべてのセンサー API について合理的に動作しなければなりません(たとえば、アプリがリスナーの登録を試みたときは適切に true または false を返す、対応するセンサーが存在しないときはセンサー リスナーを呼び出さないなど)。
- Android SDK ドキュメント [参考資料、41] で規定されているとおり、センサータイプごとに関連する国際単位系(メートル法)の値を使用して、すべてのセンサー測定値をレポートしなければなりません。
上記のリストは包括的なものではありません。Android SDK ドキュメントに記載されている動作を、信頼できるものとみなします。
一部のセンサータイプは統合型です。つまり、1 つ以上の他のセンサーが提供するデータから導出できます(そうしたセンサーには、方向センサーや直線加速度センサーがあります)。デバイス実装は、必須の物理センサーを含む場合、これらのセンサータイプを実装するべきです。
Android 4.3 には、「ストリーミング」センサーという概念があります。これは、データが変化したときだけでなく、継続的にデータを返すセンサーです。デバイス実装は、Android 4.3 SDK ドキュメントでストリーミング センサーとして規定されている API については、定期的なデータサンプルを継続的に提供しなければなりません。なお、デバイス実装は、デバイス CPU が一時停止状態に入るか一時停止状態から復帰することをセンサー ストリームが妨げないようにしなければなりません。
7.3.1. 加速度計
デバイス実装は、3 軸加速度計を含むべきです。3 軸加速度計が含まれる場合、デバイス実装は:
- 120 Hz 以上でイベントを配信できるべきです。なお、Android 4.3 では、上記の加速度計の周波数について「するべきである」(原文では「SHOULD」)と記載されていますが、将来のバージョンの互換性定義では「しなければならない」(原文では「MUST」)に変更される予定です。つまり、これらの標準は Android 4.3 では任意ですが、将来のバージョンでは必須になります。Android 4.3 を搭載した既存および新規のデバイスは、将来のプラットフォーム リリースにアップグレードできるように、Android 4.3 でこれらの要件を満たすことが非常に強く推奨されます。
- Android API で詳述されているように、Android センサー座標系に従わなければなりません([参考資料、41] を参照)。
- 任意の 3 次元ベクトルについて、自由落下から重力の 2 倍(2g)以上まで測定できなければなりません。
- 正確度が 8 ビット以上でなければなりません。
- 標準偏差が 0.05 m/s^2 以下でなければなりません。
7.3.2. 磁力計
デバイス実装は 3 軸磁力計(コンパス)を含むべきです。3 軸磁力計が含まれる場合、デバイスは:
- 10 Hz 以上でイベントを配信できなければなりません。
- Android API で詳述されているように、Android センサー座標系に従わなければなりません([参考資料、41] を参照)。
- 地球磁場をカバーするのに十分な磁場強度の範囲をサンプリングできなければなりません。
- 正確度が 8 ビット以上でなければなりません。
- 標準偏差が 0.5 µT 以下でなければなりません。
7.3.3. GPS
デバイス実装は GPS レシーバーを含むべきです。デバイス実装に GPS レシーバーが含まれる場合は、GPS ロックオン時間を最小化するために、なんらかの「アシスト GPS」技術を含めるべきです。
7.3.4. ジャイロスコープ
デバイス実装はジャイロスコープ(角度変化センサー)を含むべきです。デバイスは、3 軸加速度計も含まない限り、ジャイロスコープ センサーを含むべきではありません。デバイス実装がジャイロスコープを含む場合は、以下の要件が適用されます。
- 温度補正がなされなければなりません。
- 最大で 5.5*Pi ラジアン/秒(つまり、毎秒約 1,000 度)の方向変化を測定できなければなりません。
- 200 Hz 以上でイベントを配信できるべきです。なお、Android 4.3 では、上記のジャイロスコープの周波数について「するべきである」(原文では「SHOULD」)と記載されていますが、将来のバージョンの互換性定義では「しなければならない」(原文では「MUST」)に変更される予定です。つまり、これらの標準は Android 4.3 では任意ですが、将来のバージョンでは必須になります。Android 4.3 を搭載した既存および新規のデバイスは、将来のプラットフォーム リリースにアップグレードできるように、Android 4.3 でこれらの要件を満たすことが非常に強く推奨されます。
- 正確度が 12 ビット以上でなければなりません。
- 分散が Hz あたり 1e-7 rad^2/s^2(Hz あたりの分散、つまり rad^2/s)以下でなければなりません。分散はサンプリング レートによって異なることが許容されますが、この値によって制約されなければなりません。言い換えると、サンプリング レート 1 Hz でジャイロの分散を測定した場合、その値は 1e-7 rad^2/s^2 以下であるべきです。
- タイムスタンプは、ハードウェア イベントが発生した時間にできるだけ近いものでなければなりません。固定のレイテンシは削除しなければなりません。
7.3.5. 気圧計
デバイス実装は気圧計(周囲気圧センサー)を含んでいても構いません。気圧計が含まれる場合、デバイス実装は:
- 5 Hz 以上でイベントを配信できなければなりません。
- 十分な精度で標高を推定できなければなりません。
- 温度補正がなされなければなりません。
7.3.6. 温度計
デバイス実装は温度計(温度センサー)を含んでも構いませんが、含むべきではありません。温度計を含む場合、デバイス実装はデバイス CPU の温度を測定しなければなりません。それ以外の温度を測定してはなりません(このセンサータイプは Android 4.3 API では非推奨です)。
7.3.7. 光度計
デバイス実装は、光度計(周囲光センサー)を含んでも構いません。
7.3.8. 近接センサー
デバイス実装は近接センサーを含んでも構いません。近接センサーを含む場合、デバイス実装は画面と同じ方向にある物体の近さを測定しなければなりません。つまり、近接センサーは、画面の近くにある物体を検出するような向きでなければなりません。これは、この種のセンサーが主として、スマートフォンがユーザーにより使用中であることを検出するのを目的としているためです。他の方向を向いている近接センサーを含む場合、デバイス実装はそのような API からアクセス可能であってはなりません。デバイス実装が近接センサーを含む場合、その正確度は 1 ビット以上でなければなりません。
7.4. データ接続
7.4.1. テレフォニー
Android 4.3 API とこのドキュメントで使用される「テレフォニー」は、具体的には、GSM または CDMA ネットワークを介した音声通話の発信と SMS メッセージの送信に関連するハードウェアを指します。こうした音声通話は、パケット交換であってもそうでなくても構いませんが、Android 4.3 では、同じネットワークを使用して実装されるデータ接続からは独立しているとみなされます。言い換えると、Android の「テレフォニー」機能と API は、具体的には音声通話と SMS を指します。たとえば、通話の発信と SMS メッセージの送受信ができないデバイス実装は、データ接続にモバイル ネットワークを使用するかどうかにかかわらず、「android.hardware.telephony」機能またはサブ機能を報告してはなりません。
Android 4.3 は、テレフォニー ハードウェアを備えていないデバイスで使用しても構いません。つまり、Android 4.3 はスマートフォン以外のデバイスと互換性があります。しかし、デバイス実装が GSM または CDMA テレフォニーを含む場合は、その技術に対応する API の完全なサポートを実装しなければなりません。テレフォニー ハードウェアを含まないデバイス実装は、完全な API を NoOps として実装しなければなりません。
7.4.2. IEEE 802.11(Wi-Fi)
Android 4.3 デバイス実装は、1 つ以上の形式の 802.11(b/g/a/n など)のサポートを含むべきです。802.11 のサポートを含むデバイス実装は、対応する Android API を実装しなければなりません。
デバイス実装は、SDK ドキュメント [参考資料、62] に記載されているように、マルチキャスト API を実装しなければなりません。Wi-Fi サポートを含むデバイス実装は、マルチキャスト DNS(mDNS)をサポートしなければなりません。デバイス実装は、画面がアクティブ状態にないときを含め、オペレーション時に mDNS パケット(224.0.0.251)をフィルタしてはなりません。
7.4.2.1. Wi-Fi Direct
デバイス実装は、Wi-Fi Direct(Wi-Fi ピアツーピア)のサポートを含むべきです。Wi-Fi Direct をサポートする場合、デバイス実装は、SDK ドキュメント [参考資料、68] に記載されているとおり、対応する Android API を実装しなければなりません。デバイス実装が Wi-Fi Direct のサポートを含む場合は、以下の要件が適用されます。
- 通常の Wi-Fi オペレーションをサポートしなければなりません。
- Wi-Fi と Wi-Fi Direct の同時接続オペレーションをサポートするべきです。
7.4.3. Bluetooth
デバイス実装は Bluetooth トランシーバーを含むべきです。Bluetooth トランシーバーを含むデバイス実装は、SDK ドキュメントに記載されているように RFCOMM ベースの Bluetooth API を有効にするとともに、ハードウェア機能 android.hardware.bluetooth を宣言しなければなりません [参考資料、42]。デバイス実装は、デバイスに応じて、A2DP、AVRCP、OBEX など、関連する Bluetooth プロファイルを実装するべきです。
Bluetooth Smart または Smart Ready デバイスとの通信を可能にする Bluetooth GATT(汎用属性プロファイル)のサポートを含むデバイス実装は、SDK ドキュメントに記載されているように GATT ベースの Bluetooth API を有効にするとともに、ハードウェア機能 android.hardware.bluetooth_le を宣言しなければなりません [参考資料、42]。
7.4.4. 近距離無線通信
デバイス実装は、近距離無線通信(NFC)用のトランシーバーと関連ハードウェアを含むべきです。NFC ハードウェアが含まれる場合、デバイス実装は:
android.content.pm.PackageManager.hasSystemFeature()
メソッドを介して android.hardware.nfc 機能を報告しなければなりません。[参考資料、37]- 次の NFC 規格を使用して、NDEF メッセージの読み取りと書き込みができなければなりません。
- 次の NFC 規格を使用して、NFC フォーラムのリーダー / ライター(NFC フォーラムの技術仕様 NFCForum-TS-DigitalProtocol-1.0 で定義)として動作できなければなりません。
- NfcA(ISO14443-3A)
- NfcB(ISO14443-3B)
- NfcF(JIS 6319-4)
- IsoDep(ISO 14443-4)
- NFC フォーラムのタグタイプ 1、2、3、4(NFC フォーラムにより定義)
- 次の NFC 規格を使用して、NFC フォーラムのリーダー / ライター(NFC フォーラムの技術仕様 NFCForum-TS-DigitalProtocol-1.0 で定義)として動作できなければなりません。
- 次の NFC 規格を使用して、NDEF メッセージの読み取りと書き込みができるべきです。Android 4.3 では、下記の NFC 規格について「するべきである」(原文では「SHOULD」)と記載されていますが、将来のバージョンの互換性定義では「しなければならない」(原文では「MUST」)に変更される予定です。つまり、これらの規格は Android 4.3 では任意ですが、将来のバージョンでは必須になります。Android 4.3 を搭載した既存および新規のデバイスは、将来のプラットフォーム リリースにアップグレードできるように、Android 4.3 でこれらの要件を満たすことが非常に強く推奨されます。
- NfcV(ISO 15693)
- 以下のピアツーピア標準とプロトコルを使用してデータを送受信できなければなりません。
- ISO 18092
- LLCP 1.0(NFC フォーラムにより定義)
- SDP 1.0(NFC フォーラムにより定義)
- NDEF プッシュ プロトコル [参考資料、43]
- SNEP 1.0(NFC フォーラムにより定義)
- Android ビーム [参考資料、65] のサポートを含まなければなりません。
- SNEP デフォルト サーバーを実装しなければなりません。デフォルト SNEP サーバーが受信する有効な NDEF メッセージは、android.nfc.ACTION_NDEF_DISCOVERED インテントを使用してアプリにディスパッチされなければなりません。設定で Android ビームを無効にすることにより、受信 NDEF メッセージのディスパッチを無効にしてはなりません。
- デバイス実装は、android.settings.NFCSHARING_SETTINGS インテントを尊重して、NFC 共有設定 [参考資料、67] を表示しなければなりません。
- NPP サーバーを実装しなければなりません。NPP サーバーが受信するメッセージは、SNEP デフォルト サーバーと同じ方法で処理されなければなりません。
- Android ビームが有効になっているときは、SNEP クライアントを実装し、送信 P2P NDEF のデフォルトの SNEP サーバーへの送信を試行しなければなりません。デフォルトの SNEP サーバーが見つからない場合、クライアントは NPP サーバーへの送信を試行しなければなりません。
- フォアグラウンド アクティビティが、android.nfc.NfcAdapter.setNdefPushMessage、android.nfc.NfcAdapter.setNdefPushMessageCallback、android.nfc.NfcAdapter.enableForegroundNdefPush を使用して送信 P2P NDEF メッセージを設定できるようにしなければなりません。
- 送信 P2P NDEF メッセージを送信する前に、「タップしてビーム」などのジェスチャーまたは画面上の確認を使用するべきです。
- Android ビームをデフォルトで有効にするべきです。
- デバイスが Bluetooth オブジェクト プッシュ プロファイルをサポートしている場合は、Bluetooth への NFC 接続ハンドオーバーをサポートしなければなりません。デバイス実装は、android.nfc.NfcAdapter.setBeamPushUris を使用する場合、NFC フォーラムの「Connection Handover バージョン 1.2」仕様 [参考資料、60] と「Bluetooth Secure Simple Pairing Using NFC バージョン 1.0」仕様 [参考資料、61] を実装して、Bluetooth への接続ハンドオーバーをサポートしなければなりません。このような実装は、NFC を介してハンドオーバー リクエスト / 選択レコードを交換するために SNEP GET リクエストを使用するべきであり、実際の Bluetooth データ転送で Bluetooth オブジェクト プッシュ プロファイルを使用しなければなりません。
- NFC 検出モードのときは、サポートされているすべての技術をポーリングしなければなりません。
- 画面がアクティブでロック画面がロック解除された状態でデバイスが起動しているときは、NFC 検出モードになるべきです
(なお、上記の JIS、ISO、NFC フォーラムの仕様について、一般公開されているリンクはありません)。
さらに、デバイス実装は、以下の MIFARE 技術のリーダー / ライターをサポートしても構いません。
- MIFARE Classic(NXP MF1S503x [参考資料、44]、MF1S703x [参考資料、45])
- MIFARE Ultralight(NXP MF0ICU1 [参考資料、46]、MF0ICU2 [参考資料、47])
- MIFARE Classic の NDEF(NXP AN130511 [参考資料、48]、AN130411 [参考資料、49])
なお、Android 4.3 には、これらの MIFARE タイプの API が含まれています。デバイス実装がリーダー / ライターのロールで MIFARE をサポートする場合は、以下の要件が適用されます。
- Android SDK ドキュメントに記載されているように、対応する Android API を実装しなければなりません。
android.content.pm.PackageManager.hasSystemFeature()
メソッドを介して機能 com.nxp.mifare を報告しなければなりません[参考資料、37]。なお、これは標準の Android 機能ではないため、PackageManager
クラスの定数としては表示されません。- このセクションに記載されているように、一般的な NFC サポートも実装しない限り、対応する Android API を実装してはならず、com.nxp.mifare 機能をレポートしてはなりません。
デバイス実装は、NFC ハードウェアを含まない場合、android.content.pm.PackageManager.hasSystemFeature()
メソッドを介して android.hardware.nfc 機能を宣言してはなりません [参考資料、37]。また、Android 4.3 NFC API を NoOps として実装しなければなりません。
android.nfc.NdefMessage
クラスと android.nfc.NdefRecord
クラスはプロトコルに依存しないデータ表現形式を表すので、デバイス実装は、NFC のサポートを含まない場合または android.hardware.nfc 機能を宣言している場合でも、これらの API を実装しなければなりません。
7.4.5. 最低限のネットワーク機能
デバイス実装は、1 つ以上の形式のデータ ネットワーキングのサポートを含まなければなりません。具体的には、デバイス実装は 200 Kbit/秒以上を実現できるデータ標準を少なくとも 1 つサポートしなければなりません。この要件を満たす技術の例としては、EDGE、HSPA、EV-DO、802.11g、イーサネットなどがあります。
物理ネットワーキング標準(イーサネットなど)がプライマリ データ接続になっているデバイス実装は、802.11(Wi-Fi)などの一般的なワイヤレス データ標準も少なくとも 1 つサポートするべきです。
デバイスは、複数の形式のデータ接続を実装しても構いません。
7.5. カメラ
デバイス実装は背面カメラを含むべきであり、前面カメラを含んでも構いません。背面カメラとは、デバイスのディスプレイとは反対側に配置されたカメラのことです。つまり、従来のカメラのようにデバイスの向こう側の光景を撮影するものです。前面カメラとは、デバイスのディスプレイと同じ側に配置されたカメラのことです。つまり、通常はビデオ会議や類似のアプリなどでユーザーを撮影するために使用されるカメラです。
7.5.1. 背面カメラ
デバイス実装は背面カメラを含むべきです。デバイス実装が背面カメラを含む場合は、以下の要件が適用されます。
- 解像度が少なくとも 2 メガピクセルでなければなりません。
- カメラドライバでハードウェア オートフォーカスまたはソフトウェア オートフォーカスを実装すべきです(アプリ ソフトウェアに対して透過的)。
- 固定フォーカスまたは EDOF(拡張被写界深度)のハードウェアがあっても構いません。
- フラッシュを含んでも構いません。カメラがフラッシュを含む場合、android.hardware.Camera.PreviewCallback インスタンスがカメラ プレビュー サーフェスに登録されている間は、アプリが
Camera.Parameters
オブジェクトのFLASH_MODE_AUTO
属性またはFLASH_MODE_ON
属性を有効にすることによってフラッシュを明示的に有効にしていない限り、フラッシュ ランプを点灯してはなりません。なお、この制約はデバイスの内蔵システム カメラアプリには適用されず、Camera.PreviewCallback
を使用するサードパーティ アプリにのみ適用されます。
7.5.2. 前面カメラ
デバイス実装は前面カメラを含んでも構いません。デバイス実装が前面カメラを含む場合は、以下の要件が適用されます。
- 解像度が少なくとも VGA(つまり、640x480 ピクセル)でなければなりません。
- 前面カメラを Camera API のデフォルトとして使用してはなりません。つまり、Android 4.3 の Camera API には前面カメラに対する特定のサポートが含まれており、デバイス実装は、デバイスに前面カメラしか搭載されていない場合でも、前面カメラをデフォルトの背面カメラとして扱うようにこの API を構成してはなりません。
- セクション 7.5.1 に記載されているように、背面カメラで利用できる機能(オートフォーカスやフラッシュなど)を含んでも構いません。
- 次に示すように、カメラ プレビューで、アプリによって表示されるストリームを水平方向に反映(つまりミラーリング)しなければなりません。
- デバイス実装がユーザーによる回転(たとえば、加速度計による自動的な回転またはユーザー入力による手動の回転)に対応している場合は、デバイスの現在の向きに対して水平にカメラ プレビューをミラーリングしなければなりません。
- 現在のアプリが
android.hardware.Camera.setDisplayOrientation()
[参考資料、50] メソッドを呼び出してカメラ ディスプレイの回転を明示的にリクエストした場合は、アプリが指定した向きに対して水平にカメラ プレビューをミラーリングしなければなりません。 - それ以外の場合は、デバイスのデフォルトの水平軸に沿ってプレビューをミラーリングしなければなりません。
- ポストビューで表示される画像を、カメラ プレビューの画像ストリームと同じ方法でミラーリングしなければなりません(デバイス実装がポストビューをサポートしていない場合、この要件は明確には適用されません)。
- 最終的にキャプチャされた静止画像または動画ストリーム(アプリのコールバックに対して返されたか、メディア ストレージにコミットされたもの)をミラーリングしてはなりません。
7.5.3. カメラ API の動作
デバイス実装は、前面カメラと背面カメラの両方で、カメラ関連の API について次の動作を実装しなければなりません。
- アプリで
android.hardware.Camera.Parameters.setPreviewFormat(int)
が一度も呼び出されていない場合、デバイスはアプリのコールバックに提供されるプレビュー データにandroid.hardware.PixelFormat.YCbCr_420_SP
を使用しなければなりません。 - アプリが
android.hardware.Camera.PreviewCallback
インスタンスを登録し、プレビュー形式が YCbCr_420_SP のときにonPreviewFrame()
メソッドを呼び出す場合、onPreviewFrame()
に渡されるbyte[]
のデータは NV21 エンコード形式でなければなりません。つまり、NV21 がデフォルトでなければなりません。 - デバイス実装は、前面カメラと背面カメラの両方について、カメラ プレビュー用に YV12 形式(
android.graphics.ImageFormat.YV12
定数で表されます)をサポートしなければなりません。(ハードウェア動画エンコーダとカメラは任意のネイティブ ピクセル形式を使用できますが、デバイス実装は YV12 への変換をサポートしなければなりません)。
デバイス実装は、デバイスにハードウェア オートフォーカスなどの機能があるかどうかにかかわらず、Android 4.3 SDK ドキュメント [参考資料、51] に記載されている完全な Camera API を実装しなければなりません。たとえば、オートフォーカスのないカメラは、登録されたすべての android.hardware.Camera.AutoFocusCallback
インスタンスを(オートフォーカスのないカメラと無関係であっても)呼び出さなければなりません。なお、これは前面カメラに適用されます。たとえば、ほとんどの前面カメラはオートフォーカスをサポートしませんが、それでも前述のように API コールバックを「偽装」しなければなりません。
デバイス実装は、基盤となるハードウェアがこの機能をサポートしている場合、android.hardware.Camera.Parameters
クラスの定数として定義された各パラメータ名を認識し、尊重しなければなりません。デバイス ハードウェアが機能をサポートしていない場合、API はドキュメントに記載されているとおりに動作しなければなりません。逆に、デバイス実装は android.hardware.Camera.Parameters
で定数として記述されているもの以外は、android.hardware.Camera.setParameters()
メソッドに渡される文字列定数を尊重または認識してはなりません。つまり、デバイス実装は、ハードウェアで許可されるのであれば標準的なカメラ パラメータをすべてサポートしなければならず、カスタムのカメラ パラメータ タイプはサポートしてはなりません。たとえば、ハイ ダイナミック レンジ(HDR)画像処理手法を使用する画像キャプチャをサポートするデバイス実装は、カメラ パラメータ Camera.SCENE_MODE_HDR
をサポートしなければなりません [参考資料、78]。
デバイス実装は、カメラで新しい写真が撮影され、写真のエントリがメディアストアに追加されたときは、必ず Camera.ACTION_NEW_PICTURE
インテントをブロードキャストしなければなりません。
デバイス実装は、新しい動画がカメラで録画され、画像のエントリがメディアストアに追加されたときは常に、Camera.ACTION_NEW_VIDEO
インテントをブロードキャストしなければなりません。
7.5.4. カメラの向き
前面カメラと背面カメラは(存在する場合)、両方ともカメラの長辺が画面の長辺と揃うように向きを調整しなければなりません。つまり、デバイスが横向きで保持されている場合、カメラは横向きで画像をキャプチャしなければなりません。これは、デバイスの自然な向きに関係なく適用されます。つまり、横向き主体のデバイスにも、縦向き主体のデバイスにも適用されます。
7.6. メモリとストレージ
7.6.1. 最小のメモリとストレージ
デバイス実装には、カーネルとユーザー空間で使用できるメモリが少なくとも 340 MB 存在しなければなりません。この 340 MB は、カーネルの制御下にない無線や動画などのハードウェア コンポーネント専用のメモリとは別に用意しなければなりません。
デバイス実装には、アプリの個人データに使用できる不揮発性ストレージが少なくとも 512 MB 存在しなければなりません。つまり、/data
パーティションのサイズが少なくとも 512 MB でなければなりません。Android 4.3 を搭載したデバイス実装では、将来のプラットフォーム リリースにアップグレードできるように、アプリの個人データ用の不揮発性ストレージを少なくとも 1 GB 用意することが非常に強く推奨されます。
Android API は、アプリがデータファイルをダウンロードするために使用できるダウンロード マネージャーを備えています [参考資料、56]。ダウンロード マネージャーのデバイス実装は、サイズが 100 MB 以上の個々のファイルをデフォルトの「キャッシュ」場所にダウンロードできなければなりません。
7.6.2. アプリ共有ストレージ
デバイス実装は、アプリに共有ストレージを提供しなければなりません。提供する共有ストレージのサイズは少なくとも 1 GB でなければなりません。
デバイス実装は、デフォルトでマウントされる共有ストレージをすぐに使えるように構成されていなければなりません。共有ストレージが Linux パス /sdcard
にマウントされない場合、デバイスは、/sdcard
から実際のマウント ポイントへの Linux シンボリック リンクを含まなければなりません。
デバイス実装は、この共有ストレージに対する android.permission.WRITE_EXTERNAL_STORAGE
権限を、ドキュメントに記載されているとおりに適用しなければなりません。そうしない場合、共有ストレージは、その権限を取得するすべてのアプリから書き込み可能でなければなりません。
デバイス実装は、ユーザーによるアクセスが可能なリムーバブル ストレージ(セキュア デジタル カードなど)のハードウェアを備えていても構いません。または、アプリ用の共有ストレージとして内部(非リムーバブル)ストレージを割り当てても構いません。
デバイス実装は、使用される共有ストレージの形式にかかわらず、USB マスストレージ(UMS)やメディア転送プロトコル(MTP)など、ホスト コンピュータから共有ストレージの内容にアクセスするなんらかのメカニズムを提供しなければなりません。デバイス実装は USB マスストレージを使用しても構いませんが、メディア転送プロトコルを使用するべきです。デバイス実装がメディア転送プロトコルをサポートする場合は、以下の要件が適用されます。
- デバイス実装は、リファレンス Android MTP ホストである Android File Transfer [参考資料、57] と互換性を持つべきです。
- デバイス実装は、USB デバイスクラス
0x00
を報告するべきです。 - デバイス実装は、USB インターフェース名「MTP」を報告するべきです。
USB ポートを含まないデバイス実装は、ホスト コンピュータがネットワーク ファイル システムなどの他の手段で共有ストレージの内容にアクセスできるようにしなければなりません。
説明のために 2 つの一般的な例を示します。デバイス実装に共有ストレージ要件を満たす SD カード スロットが含まれる場合、FAT でフォーマットされた 1 GB 以上の SD カードがユーザーに販売されるデバイスに付属し、デフォルトでマウントされなければなりません。または、デバイス実装がこの要件を満たすために内部固定ストレージを使用する場合、そのストレージは 1 GB 以上で、/sdcard
にマウントされなければなりません(/sdcard
は、物理的な場所以外にマウントされる場合、物理的な場所へのシンボリック リンクでなければなりません)。
複数の共有ストレージパス(SD カードスロットと共有内部ストレージの両方など)を含むデバイス実装については、メディア スキャナや ContentProvider などのコアアプリを変更して、両方の場所に配置されたファイルを透過的にサポートするべきです。
7.7. USB
デバイス実装は USB クライアント ポートを含むべきです。また、USB ホストポートを含むべきです。
デバイス実装が USB クライアント ポートを含む場合は、以下の要件が適用されます。
- ポートは標準の USB-A ポートで USB ホストに接続できなければなりません。
- ポートはデバイス側のマイクロ USB フォーム ファクタを使用するべきです。Android 4.3 を搭載した既存および新規のデバイスは、将来のプラットフォーム リリースにアップグレードできるように、Android 4.3 でこれらの要件を満たすことが非常に強く推奨されます。
- ポートは側面または上下面の中央に配置するべきです。デバイス実装は、(自然な向きに応じた)デバイスの底面にポートを配置するか、すべてのアプリ(ホーム画面を含む)でソフトウェア画面回転を可能にして、ポートが底面に来るようにデバイスの向きが設定された場合にディスプレイが正しく描画されるようにすべきです。Android 4.3 を搭載した既存および新規のデバイスは、将来のプラットフォーム リリースにアップグレードできるように、Android 4.3 でこれらの要件を満たすことが非常に強く推奨されます。
- デバイスにその他のポート(USB 以外の充電ポートなど)がある場合は、マイクロ USB ポートと同じ面に配置するべきです。
- デバイスに接続されたホストが、USB マスストレージまたはメディア転送プロトコルを使用して、共有ストレージ ボリュームの内容にアクセスできるようにしなければなりません。
- Android SDK ドキュメントに記載されているように、Android Open Accessory API と仕様を実装しなければならず、ハードウェア機能
android.hardware.usb.accessory
のサポートを宣言しなければなりません [参考資料、52]。 - Android SDK ドキュメントに記載されているように、USB オーディオ クラスを実装しなければなりません [参考資料、66]。
- USB バッテリー充電仕様のサポートを実装するべきです [参考資料、64]。Android 4.3 を搭載した既存および新規のデバイスは、将来のプラットフォーム リリースにアップグレードできるように、Android 4.3 でこれらの要件を満たすことが非常に強く推奨されます。
デバイス実装が USB ホストポートを含む場合は、以下の要件が適用されます。
- 標準以外のポートのフォーム ファクタを使用しても構いませんが、使用する場合は、ポートを標準 USB-A に適合させるケーブルが付属していなければなりません。
- Android SDK に記載されているとおり Android USB ホスト API を実装しなければならず、ハードウェア機能
android.hardware.usb.host
[参考資料、53] のサポートを宣言しなければなりません。
デバイス実装は Android Debug Bridge を実装しなければなりません。USB クライアント ポートが省略されている場合、デバイス実装はローカルエリア ネットワーク(イーサネット、802.11 など)を介して Android Debug Bridge を実装しなければなりません。
8. パフォーマンスの互換性
デバイス実装は、下記の表で規定されている Android 4.3 互換デバイスの主要なパフォーマンス指標の要件を満たさなければなりません。
指標 | パフォーマンスしきい値 | コメント |
アプリ起動時間 | 次のアプリは、示された時間内に起動すべきです。
|
起動時間は、アプリのデフォルト アクティビティの読み込みを完了するのにかかる合計時間として測定されます。これには、Linux プロセスを開始し、Android パッケージを Dalvik VM に読み込んで、onCreate を呼び出すのに要する時間が含まれます。 |
同時アプリ | 複数のアプリが起動されている場合、起動後に実行中のアプリを再起動するまでにかかる時間は、元の起動時間より短くなければなりません。 |
9. セキュリティ モデルの互換性
デバイス実装は、Android デベロッパー向けドキュメントに含まれる API のセキュリティと権限に関するリファレンス ドキュメント [参考資料、54] で定義されている Android プラットフォームのセキュリティ モデルと整合するセキュリティ モデルを実装しなければなりません。デバイス実装は、サードパーティ / 認証局からの追加の許可 / 証明書を必要とすることなく、自己署名アプリのインストールをサポートしなければなりません。具体的には、互換性のあるデバイスは、以降のサブセクションに記載されているセキュリティ メカニズムをサポートしなければなりません。
9.1. 権限
デバイス実装は、Android デベロッパー向けドキュメント [参考資料、54] で定義されている Android 権限モデルをサポートしなければなりません。具体的には、SDK ドキュメントで規定されているとおり各権限を適用しなければならず、権限を省略、変更、無視することはできません。実装は、新しい権限 ID 文字列が android.* 名前空間になければ、権限を追加しても構いません。
9.2. UID とプロセスの分離
デバイス実装は、Android アプリ サンドボックス モデル(各アプリが個別のプロセスで一意の Unix 形式の UID として動作するモデル)をサポートしなければなりません。デバイス実装は、セキュリティと権限に関するリファレンス [参考資料、54] の規定に従ってアプリが適切に署名され、構築されている場合は、同じ Linux ユーザー ID での複数のアプリの実行をサポートしなければなりません。
9.3. ファイルシステムの権限
デバイス実装は、セキュリティと権限に関するリファレンス [参考資料、54] で定義されているとおり、Android ファイル アクセス権限モデルをサポートしなければなりません。
9.4. 代替実行環境
デバイス実装は、Dalvik 仮想マシンまたはネイティブ コード以外のソフトウェアまたは技術を使用してアプリを実行するランタイム環境を含んでも構いません。ただし、このセクションで説明するように、そのような代替実行環境は、Android セキュリティ モデルまたはインストール済みの Android アプリのセキュリティを侵害してはなりません。
代替ランタイムはそれ自体が Android アプリでなければならず、セクション 9 の他の箇所に記載されているように、標準の Android セキュリティ モデルに従わなければなりません。
代替ランタイムには、<uses-permission>
メカニズムを介して、ランタイムの AndroidManifest.xml ファイルでリクエストされていない権限によって保護されたリソースへのアクセス権を付与してはなりません。
代替ランタイムは、システムアプリに限定された Android 権限で保護された機能の利用をアプリに許可してはなりません。
代替ランタイムは、Android サンドボックス モデルに従わなければなりません。詳細は以下のとおりです。
- 代替ランタイムは、PackageManager を使用して個別の Android サンドボックス(Linux ユーザー ID など)にアプリをインストールするべきです。
- 代替ランタイムは、代替ランタイムを使用するすべてのアプリで共有される単一の Android サンドボックスを提供しても構いません。
- 代替ランタイムと、代替ランタイムを使用するインストール済みアプリは、標準的な Android メカニズム(共有ユーザー ID と署名証明書)を使用する場合を除き、デバイスにインストールされている他のアプリのサンドボックスを再利用してはなりません。
- 代替ランタイムは、他の Android アプリに対応するサンドボックスで起動されてはならず、そのようなサンドボックスへのアクセス権を付与することや付与されることもあってはなりません。
代替ランタイムは、スーパーユーザー(root)または他のユーザー ID の特権で起動されてはならず、そのような特権を他のアプリに付与しても他のアプリから付与されてもなりません。
代替ランタイムの .apk ファイルは、デバイス実装のシステム イメージに含まれていても構いませんが、デバイス実装に含まれる他のアプリの署名に使用される鍵とは異なる鍵で署名されなければなりません。
代替ランタイムは、アプリのインストール時に、アプリが使用する Android 権限についてユーザーの同意を取得しなければなりません。つまり、対応する Android 権限があるデバイス リソース(カメラや GPS など)をアプリが利用する必要がある場合、代替ランタイムは、アプリがそのリソースにアクセスできることをユーザーに通知しなければなりません。ランタイム環境がこのような方法でアプリの機能を記録しない場合、ランタイム環境は、そのランタイムを使用してアプリがインストールされる際に、ランタイム自体が保有するすべての権限をリストしなければなりません。
9.5. マルチユーザー サポート
Android 4.3 は複数のユーザーのサポートを含んでおり、ユーザーの完全な分離をサポートします [参考資料、70]。
デバイス実装は、マルチユーザー サポートに関して以下の要件を満たさなければなりません [参考資料、71]。
- 複数のユーザーが使用するデバイスでのテレフォニー API の動作は現在定義されていないため、android.hardware.telephony を宣言するデバイス実装はマルチユーザー サポートを有効にしてはなりません。
- デバイス実装は、API のセキュリティと権限に関するリファレンス ドキュメント [参考資料、54] で定義されている Android プラットフォームのセキュリティ モデルと整合するセキュリティ モデルをユーザーごとに実装しなければなりません。
- Android 4.3 には、制限付きプロファイル(追加ユーザーと、追加ユーザーがデバイス上でできることをデバイス所有者が管理できるようにする機能)のサポートが含まれています。制限付きプロファイルにより、デバイス所有者は、追加ユーザーが使用する個別の環境をすばやく設定でき、その環境で利用できるアプリの制限をきめ細かく管理できます。複数ユーザーのサポートを含むデバイス実装は、制限付きプロファイルのサポートを含まなければなりません。アップストリームの Android オープンソース プロジェクトには、この要件を満たす実装が含まれています。
Android デバイス上のユーザー インスタンスごとに、個別の分離された外部ストレージ ディレクトリが存在しなければなりません。デバイス実装は、複数のユーザーのデータを同じボリュームまたはファイルシステムに保存しても構いません。ただし、そうしたデバイス実装では、特定のユーザーが自分の所有しているアプリを実行する場合に、他のユーザーの所有するデータの一覧表示や読み取り、書き込みができないようにしなければなりません。SD カード スロットなどのリムーバブル メディアを利用すれば、あるユーザーがホストのパソコンを使って別のユーザーのデータにアクセスすることができるようになります。したがって、外部ストレージ API 用にリムーバブル メディアを使用するデバイス実装は、システムのみがアクセスできる非リムーバブル メディアにのみ保存されるキーを使用してマルチユーザーを有効にする場合、SD カードの内容を暗号化しなければなりません。これにより、ホスト PC でメディアを読み取れなくなるため、デバイス実装は、ホスト PC から現在のユーザーのデータにアクセスできるようにするため、MTP または同様のシステムに切り替える必要があります。したがって、デバイス実装は、プライマリ外部ストレージにリムーバブル メディア [参考資料、72] を使用する場合、マルチユーザーを有効にしても構いませんが、有効にすべきではありません。アップストリームの Android オープンソース プロジェクトには、アプリの外部ストレージ API 用に内部デバイス ストレージを使用する実装が含まれています。デバイス実装は、この構成とソフトウェア実装を使用するべきです。複数の外部ストレージパスを含むデバイス実装は、Android アプリにセカンダリ外部ストレージへの書き込みを許可してはなりません。
9.6. プレミアム SMS の警告
Android 4.3 では、プレミアム SMS の送信メッセージに関するユーザーへの警告がサポートされています [参考資料、73]。プレミアム SMS メッセージとは、携帯通信会社に登録されたサービスに送信されるテキスト メッセージのことであり、ユーザーに課金される可能性があります。android.hardware.telephony
のサポートを宣言するデバイス実装は、デバイスの /data/misc/sms/codes.xml
ファイルで定義された正規表現で識別される番号に SMS メッセージを送信する前に、ユーザーに警告しなければなりません。アップストリームの Android オープンソース プロジェクトは、この要件を満たす実装を提供しています。
9.7. カーネル セキュリティ機能
Android 4.3 の Android サンドボックスには、Linux カーネルの SELinux 強制アクセス制御システム(MAC)とその他のセキュリティ機能を使用できる機能が含まれています。デバイス実装は SELinux MAC をサポートしなければなりません。なお、アップストリームの Android オープンソース プロジェクトは、この要件を満たす実装を提供しています。
Android フレームワークの下に実装される SELinux または任意のセキュリティ機能は、既存のアプリとの互換性を維持しなければなりません。これらの機能は、ユーザーとデベロッパーから不可視であるべきです。これらの機能は、ユーザーまたはデベロッパーによる構成が不可能であるべきです。ポリシーを構成するための API が、別のアプリに影響する可能性のあるアプリ(Device Administration API など)に公開されている場合、API は互換性を破る構成を許可してはなりません。リファレンス実装は、互換性を継続的に確保するため、SELinux を permissive モードで使用することを許可し、システム イメージの更新が不要な動的ポリシー更新をサポートしています。SELinux を使用するデバイス実装は、この permissive モードと動的ポリシー更新をサポートし、アプリを停止させたりシステムの動作に影響を及ぼしたりすることなく、あらゆるポリシー違反をログに記録しなければなりません。SELinux を使用する実装は、デバイスの /sepolicy
ファイルからポリシーを読み込むべきです。アップストリームの Android オープンソース プロジェクトは、この要件を満たす実装を提供しています。デバイス実装は、Android オープンソース プロジェクトのリファレンス実装を使用するべきであり、アップストリームの Android オープンソース プロジェクトと互換性を持たなければなりません。
10. ソフトウェア互換性テスト
デバイス実装は、このセクションに記載されているすべてのテストに合格しなければなりません。
しかし、すべてを網羅するソフトウェア テスト パッケージは存在しません。したがって、デバイス実装者は、Android オープンソース プロジェクトから入手できる Android 4.3 のリファレンス実装と優先実装への変更を可能な限り最小限にとどめることが非常に強く推奨されます。そうすれば、再作業やデバイスのアップデートが必要になるような非互換性につながるバグが発生するリスクを最小限に抑えることができます。
10.1. 互換性テストスイート
デバイス実装は、デバイス上の最終出荷ソフトウェアを使用して、Android オープンソース プロジェクトから入手できる Android 互換性テストスイート(CTS)[参考資料、2] に合格しなければなりません。さらに、デバイス実装者は可能な限り Android オープンソース ツリーのリファレンス実装を使用すべきであり、CTS で不明確な点があった場合やリファレンス ソースコードの一部を再実装する場合に互換性を確保しなければなりません。
CTS は、実際のデバイスで動作するように設計されています。あらゆるソフトウェアと同じく、CTS 自体にバグが含まれている可能性があります。CTS はこの互換性定義とは別にバージョニングされるため、Android 4.3 向けに CTS の複数のリビジョンがリリースされる可能性があります。デバイス実装は、デバイス ソフトウェアが完成した時点で利用可能な最新バージョンの CTS に合格しなければなりません。
10.2. CTS 検証ツール
デバイス実装は、CTS 検証ツールですべての該当するケースを正しく実行しなければなりません。CTS 検証ツールは互換性テストスイートに付属しており、カメラとセンサーの正常な動作など、自動システムではテストできない機能をテストするために人間のオペレーターが実行します。
CTS 検証ツールには、オプションのハードウェアを含め、さまざまな種類のハードウェア用のテストがあります。デバイス実装は、搭載しているハードウェア用のすべてのテストに合格しなければなりません。たとえば、デバイスに加速度計が搭載されている場合は、CTS 検証ツールで加速度計のテストケースが正しく実行されなければなりません。この互換性定義ドキュメントで任意と記載されている機能のテストケースは、スキップまたは省略しても構いません。
前述のとおり、すべてのデバイスとすべてのビルドで、CTS 検証ツールが正しく実行されなければなりません。ただし、多くのビルドは互いによく似ているため、デバイス実装者は、わずかな違いしかないビルドで CTS 検証ツールを明示的に実行することは求められません。具体的には、CTS 検証ツールに合格した実装との違いが、含まれるロケール、ブランディングなどのセットのみであるデバイス実装は、CTS 検証ツールのテストを省略しても構いません。
10.3. リファレンス アプリケーション
デバイス実装者は、次のオープンソース アプリを使用して実装の互換性をテストしなければなりません。
- 「Android 向けアプリ」[参考資料、55] のアプリ。
- Replica Island(Google Play ストアで入手可能)
上記の各アプリは、実装が互換性を持つとみなされるように、実装で正しく起動して動作しなければなりません。
11. アップデート可能なソフトウェア
デバイス実装は、システム ソフトウェア全体を置き換えるメカニズムを備えていなければなりません。そのメカニズムは「ライブ」アップグレードを実行する必要はありません。つまり、デバイスの再起動が必要であっても構いません。
デバイスにプリインストールされているソフトウェア全体を置き換えることができるのであれば、どの方法でも使用できます。たとえば、次のどの方法も、この要件を満たします。
- 再起動によるオフライン アップデートを伴う無線(OTA)ダウンロード
- ホスト PC から USB 経由で行う「テザリング」アップデート
- 再起動による「オフライン」アップデートとリムーバブル ストレージ上のファイルからのアップデート
使用するアップデート メカニズムは、ユーザーデータをワイプすることなくアップデートをサポートしなければなりません。つまり、アップデート メカニズムは、アプリの個人データとアプリの共有データを保持しなければなりません。なお、アップストリームの Android ソフトウェアには、この要件を満たすアップデート メカニズムが含まれています。
リリース後に、ただし妥当な製品寿命の期間内にデバイス実装でエラーが見つかり、Android 互換性チームとの協議において、サードパーティ アプリの互換性に影響を与えると判断された場合、デバイス実装者は前述のメカニズムによって適用できる、利用可能なソフトウェア アップデートを介してエラーを修正しなければなりません。
12. お問い合わせ
ご不明な点やドキュメントでカバーされていないと思われる問題については、ドキュメントの作成者あてに compatibility@android.com までお問い合わせください。