このページでは、Android 13 リリースの主な機能の概要を説明し、追加情報へのリンクを掲載しています。これらの機能の概要は、このサイトにおける各機能のドキュメントの場所に従って整理されています。
アーキテクチャ
汎用ブート パーティションへの変更
Android 13 を搭載してリリースされるデバイスの場合、汎用 RAM ディスクが boot
イメージから削除され、別の init_boot
イメージに配置されています。
詳しくは、汎用ブート パーティションをご覧ください。
GKI モジュール
Android 13 では、一部のカーネル機能は動的に読み込み可能なモジュール(GKI モジュールと呼ばれる)で配信されるため、この機能を必要としないデバイスの GKI カーネルのメモリ フットプリントを削減できます。
詳しくは、カーネル モジュールをご覧ください。
モジュラー システム コンポーネント
新しいモジュラー システム コンポーネントと更新されたモジュラー システム コンポーネントについて詳しくは、Android 13 の更新をご覧ください。
Android カーネル ファイル システムのサポートの更新
Android 13 以降、ユーザー空間は汎用カーネル イメージ(GKI)に組み込まれているファイル システムでのみ使用できます。
詳しくは、Android カーネル ファイル システムのサポートをご覧ください。
音声
MIDI 2.0 のサポート
Android 13 以降、USB トランスポートには MIDI 2.0 サポートが追加されています。MIDI 2.0 は、2020 年に定義された新しい MIDI 標準です。
詳しくは MIDI のページをご覧ください。
オーディオ HAL の更新
Android 13 以降、オーディオ HAL はバージョン 7.1 に更新されています。詳しくは、オーディオ HAL をご覧ください。
Automotive
Android Automotive の新機能
Android 13 の Automotive の新機能について詳しくは、新機能をご覧ください。
ビルド
Bazel を使用したビルド
Android 13 では、build/build.sh
に代わって、Bazel を使用したカーネルのビルドが導入されました。
詳しくは、Bazel(Kleaf)をご覧ください。
カメラ
AIDL カメラ HAL
Android 13 では、カメラ フレームワークは AIDL カメラ HAL をサポートしています。カメラ フレームワークは HIDL カメラ HAL もサポートしていますが、Android 13 以降で追加されたカメラ機能は、AIDL カメラ HAL インターフェースを介してのみ使用できます。
HAL プロセスを HIDL カメラ インターフェースから AIDL カメラ インターフェースに移行する方法について詳しくは、AIDL カメラ HAL をご覧ください。
カメラのデバッグの更新
Android 13 では、カメラサービスに watch
デバッグツールが追加されています。これにより、キャプチャ リクエストでの変更や、カメラ HAL との間で送受信される結果の値を確認できます。このツールを使用すると、開いているクライアントからのタグ モニタリング ダンプのライブ プレビューや、閉じたクライアントからのキャッシュ保存されたダンプの表示が可能になります。
詳しくは、カメラのデバッグをご覧ください。
カメラ プレビューの手ぶれ補正
Android 13 では、カメラ キャプチャ セッションのプレビュー ストリームに動画の手ぶれ補正のサポートが追加されています。この機能を使用すると、サードパーティ製アプリはカメラ プレビューと録画を比較する際に、WYSIWYG(What You See Is What You Get)を提供できます。
詳しくは、カメラ プレビューの手ぶれ補正をご覧ください。
トーチの強さの制御
Android 13 では、トーチの強さをマルチレベルで制御する機能が導入されています。Android 12 以前では、フレームワークでトーチモードのオン / オフのみが可能です。この機能では、照明条件に基づいてライトの明るさを制御する、高速で点滅する光を連続で送信しストロボ効果を使用して助けを求めるシグナルを送信するなどのユースケースが可能になります。
詳しくは、トーチの強さの制御 をご覧ください。
10 ビットカメラ出力
Android 13 では、ダイナミック レンジ プロファイルを介した 10 ビットカメラ出力のサポートが追加されます。カメラ クライアントは、ダイナミック レンジ プロファイルをストリーム構成の一部として構成できます。これにより、デバイス メーカーは HLG10、HDR 10、HDR 10+、ドルビー ビジョンなどの 10 ビット ダイナミック レンジ プロファイルのサポートを追加できます。
詳しくは、10 ビットカメラ出力をご覧ください。
ソーシャル メディア アプリなどのサードパーティ製アプリでの 10 ビットカメラ出力の導入を促し、動画キャプチャと動画共有のエクスペリエンスを改善するには、この機能の実装を効果的に検証することが重要です。この機能を導入しようとしているサードパーティ製アプリは、必須のプロファイル HLG10
から開始すると考えられます。詳しくは、検証をご覧ください。
互換性
Camera ITS の更新
Android 13 では、カメラ ITS が変更され、動画テスト、Python とパッケージのバージョンの更新、ハードウェア更新のテストなどがサポートされています。
詳しくは、Android 13 カメラ画像テストスイートのリリースノートをご覧ください。
CDD の更新
Android 13 互換性定義ドキュメントでは、以前のバージョンを更新する際に互換性を保つための各種要件について定めています。
Android 13 における変更点の一覧については、Android 13 互換性定義リリースノートをご覧ください。
新しい連絡先のデフォルトのアカウント
プリロードされた連絡先アプリは、ユーザーがデフォルトのアカウントを選択できるように、ContactsContract.Settings.ACTION_SET_DEFAULT_ACCOUNT
インテントを処理する必要があります。プリロードされた連絡先アプリは、選択したデフォルトのアカウントを保存し、Intent.ACTION_INSERT
または Intent.ACTION_INSERT_OR_EDIT
を処理して連絡先を挿入するときにそのアカウントを使用する必要があります。この要件により、連絡先とやり取りするすべてのアプリで一貫性が確保されます。
詳しくは、Android 13 CDD の連絡先をご覧ください。
接続
2G の許可スイッチ
Android 13 では、携帯通信会社の構成キー KEY_HIDE_ENABLE_2G
が true
に設定されている場合、[設定] にある「2G の許可」スイッチがグレー表示されます(つまり、ユーザーはボタンを操作できません)。またグレー表示されている場合、「2G の許可」スイッチに、ユーザーの携帯通信会社が 2G を利用できるようにする必要があることを示すメッセージが表示されます。以前のバージョンでは、KEY_HIDE_ENABLE_2G
が true
に設定されている場合、「2G の許可」スイッチは表示されません。
モバイルデータ使用量設定
Android 13 では、携帯通信会社が、音声中心モードまたはデータ中心モードのいずれかでデバイスを構成できるようにするモバイルデータ使用量設定がサポートされています。携帯通信会社は、この設定を他の構成変更と組み合わせて使用することで、データ通信専用モードで動作する従来の音声中心デバイスのネットワーク上の IMS トラフィックを削減できます(コンパニオン データ通信専用サービスの場合など)。
モバイルデータ使用量設定を変更するには、config_supported_cellular_usage_settings
オーバーレイを使用するか、config_default_cellular_usage_setting
でデフォルト値を指定します。
この設定は、USAGE_SETTING_VOICE_CENTRIC
または USAGE_SETTING_DATA_CENTRIC
のいずれかです。
モバイルデータ使用量設定機能には次の API が含まれています。
CarrierConfigManager#KEY_CELLULAR_USAGE_SETTING_INT
: 使用量設定を設定します。SubscriptionInfo#getUsageSetting()
: 使用量設定を照会します。
モバイルデータ使用量設定機能を検証するには、次のテストを実行します。
- CTS:
SubscriptionManagerTest#testCellularUsageSetting
- VTS:
RadioNetworkTest#testSetUsageSetting_InvalidValues
複数のネットワーク接続とインターネット接続の同時実行
Android 13 では、複数のネットワーク接続とインターネット接続の同時実行を利用できるようになります。この機能を使用すると、デバイスは、どちらも無制限な(つまりすべてのアプリが利用できる)インターネット アクセス付きの 2 つのネットワーク(AP)に同時に接続できます。
詳細については、Wi-Fi STA / STA の同時実行をご覧ください。
IMS API の更新
Android 13 では、IMS 単一登録 API に次の更新が導入されます。
DelegateRegistrationState
:- フレームワークが IMS PDN を終了する前に SIP セッションの終了を待つ必要があるケースに対応します。
getRegisteringFeatureTags
メソッドが追加されています。これにより、IMS スタックが IMS を積極的に登録しようとするタイミングをリスニング アプリに通知できます。
RcsUceAdapter
:PUBLISH_STATE_PUBLISHING
が追加されています。これにより、IMS スタックが機能を積極的に公開しようとするタイミングをリスニング アプリに通知できます。CapabilityExchangeEventListener
:onPublishUpdated
メソッドが追加されています。これにより、IMS サービスが SIP PUBLISH の更新の成否を非同期的に通知できます。RcsClientConfiguration
:- RCC.72 のセクション 2.1.14 をサポートするために、コンストラクタに新しい値が追加されています。これにより、ユーザーが RCS を有効にしたか無効にしたかをメッセージング アプリで指定できます。
RCS_PROFILE_2_4
定数が追加されています。これにより、メッセージ アプリが RCS Universal Profile バージョン 2.4 をサポートしていることを報告できます。
Android 13 には、IMS API の次の更新も含まれています。
- アプリが
ImsStateCallback
クラスを通じて IMS スタック状態をリッスンする機能が追加されています。詳しくは、ImsStateCallback を使用するをご覧ください。 - IMS サービスの IMS プロビジョニングをリファクタリングして、MVNO プロビジョニングのユースケースをサポートするようにしています。
- IMS サービスのスレッドモデルが改善されています。
- IMS サービスに SIM サブスクリプション対応 API が追加されています。
eUICC の複数の有効なプロファイル
Android 13 では、eUICC の複数の有効なプロファイル(MEP)がサポートされるようになっています。これにより、デバイスは 1 つの eSIM チップを使用してデュアル SIM をサポートできます。複数の SIM プロファイルにより、デバイスは 2 つの異なる携帯通信会社に同時に接続できるようになります。
詳しくは、複数の有効なプロファイルをご覧ください。
プレゼンス キャリブレーション要件
Android 13 では、新しいプレゼンス キャリブレーションの要件が導入されました。これにより、Android エコシステムのすべてのデバイスで、デバイス間の相対的な近接性を決定できます。
これらの要件を満たすようにデバイスをセットアップし、調整する方法について詳しくは、プレゼンス キャリブレーションの要件をご覧ください。
タイムゾーン検出のためのテレフォニー フォールバック モード
Android 13 では、タイムゾーン検出にテレフォニー フォールバック モードが導入されています。このモードでは、位置情報による検出でタイムゾーンを検出できない場合や、位置情報によるタイムゾーンの検出がテレフォニーによる検出より時間がかかる場合、Android は一時的にテレフォニーによる検出の提案を使用します。
詳しくは、time_zone_detector サービスをご覧ください。
TelephonyManager UICC アクセス API の改善
Android 13 では、UICC 論理チャンネル管理のサポートが再開されるようになり、TelephonyManager UICC アクセス API に対する改善がなされています。
iccOpenLogicalChannel(String AID, int p2)
iccCloseLogicalChannel(int channel)
iccTransmitApduBasicChannel(int cla, int instruction, int p2, int p3, String data)
iccTransmitApduLogicalChannel(int channel, int cla, int instruction, int p1, int p2, int p3, String data)
iccExchangeSimIO(int fileID, int command, int p1, int p2, int p3, String filePath)
sendEnvelopeWithStatus(String content)
Android 11 では、これらの API のサポートは終了していました。OMAPI が UICC 論理チャンネル管理の信頼性に優れた実装を提供するためです。ただし、OMAPI は、TelephonyManager UICC アクセス API によって提供されるすべてのユースケースに対応しているわけではありません。そのため、Android 13 では、UICC 論理チャンネル管理の改善により、これらの API のサポートが再開されています。以前は、論理チャンネルを開く呼び出し元アプリがクラッシュすると、論理チャンネルがリークする可能性がありました。つまり、チャンネルは解放されず、再起動しなければアプリでは使用できませんでした。Android 13 での改善により、アプリがクラッシュすると論理チャンネルが解放され、アプリがチャンネルを再利用できるようになります。
これらの API の改善は実装レベルで行われるため、下位互換性が完全に確保されます。これらの API をアプリで使用するために、追加の作業が必要になることはありません。
エンタープライズ ネットワーク向けの初回使用時の信頼(TOFU)
Android 13 では、初回使用時の信頼(TOFU)認証方法が導入されています。これにより、ユーザーはサーバーで使用されるルート CA をインストールし、そのドメイン名を保存されたネットワークに設定することで、エンタープライズ(EAP)ネットワークを信頼できます。TOFU を使用すると、デバイスは、ユーザーが最初にエンタープライズ ネットワークに接続する際に未認証の公開鍵を取得し、以降の接続のためにその鍵を保持できます。
詳しくは、初回使用時の信頼をご覧ください。
超広帯域無線のサポート
Android 13 では、超広帯域無線(UWB)無線技術のデフォルトのフレームワーク実装が導入されました。これは、ポートされているデバイス間で非常に安全かつ正確な範囲を設定できる技術です。
詳しくは、超広帯域無線をご覧ください。
Wi-Fi AP/AP の同時実行の更新
Android 13 では、Wi-Fi AP/AP の同時実行用に 6 GHz 帯域のサポートが追加されています。これにより、デバイスは、2 つのアクセス ポイント(AP)インターフェースを作成できます。
詳細については、Wi-Fi AP / AP の同時実行をご覧ください。
Wi-Fi Aware
Android 13 では、Wi-Fi Aware 仕様のバージョン 3.1 がサポートされています。詳しくは、Wi-Fi Aware をご覧ください。
Wi-Fi アクセス ポイント(Soft AP)のテザリングの更新
Android 13 では、Wi-Fi アクセス ポイントを介してテザリングをサポートするデバイス向けの新しい構成が導入されています。新しい構成について詳しくは、Wi-Fi アクセス ポイント(Soft AP)をご覧ください。
Wi-Fi マルチインターフェースの同時実行
Android 13 以降、Wi-Fi HAL 1.6 では、ブリッジ AP インターフェース(同時デュアルバンド)を明示的な組み合わせアイテムとして指定する機能が追加されています。
詳しくは、Wi-Fi マルチインターフェースの同時実行をご覧ください。
Wi-Fi ネットワーク選択の更新
Android 13 以降では、実行時にさまざまなスキャン間隔が必要とされる場合、特権アプリは、WifiManager#setScreenOnScanSchedule(screenOnScanSchedule)
メソッドを呼び出して、画面上でスキャン スケジュールを動的に設定し、利用可能な Wi-Fi ネットワークを検索できるようにしています。
詳しくは、Wi-Fi ネットワークの選択をご覧ください。
ディスプレイ
フォアグラウンド サービスのタスク マネージャー
Android 13 では、FGS タスク マネージャーという新しいシステム UI アフォーダンスにより、バックグラウンド アプリでフォアグラウンド サービスにより使用されている状態とリソースをユーザーに通知し、ユーザーがこれらのアプリを停止できるようにしています。
詳しくは、フォアグラウンド サービス(FGS)をご覧ください。
システム UI でのメディア コントロール
Android 13 以降では、システム UI のメディア コントロールに、アクション ボタンとリモート再生の更新が含まれています。これらの変更により、スマートフォンとタブレットでより高度なメディア コントロール エクスペリエンスがサポートされ、デバイス間のシームレスなメディア転送が可能になります。
詳しくは、システム UI のメディア コントロールをご覧ください。
SDR と HDR の混合構成
Android 13 では、HDR コンテンツと同時に表示されるときに画面上の SDR コンテンツを暗くして、画面に SDR と HDR の合成を同時に表示する際のサポートが改善されています。
詳しくは、SDR と HDR の混合構成をご覧ください。
オプトイン通知の通知権限
Android 13 以降では、通知でオプトイン モデルが使用されます。このモデルでは、すべてのアプリは通知プロンプトを送信する前にユーザーに権限をリクエストする必要があります。これをサポートするには、オプトイン通知の通知権限ページに記載されているように、OEM は通知と実行時の権限システムに変更を実装する必要があります。
SDR 対応範囲への HDR 輝度のトーン マッピング
Android 13 では、トーン マッピング処理を定義する libtonemap
というベンダー構成可能な静的ライブラリが導入されています。この機能を使用すると、OEM は、ディスプレイのトーン マッピングのアルゴリズムを定義してフレームワークとベンダー間で共有し、トーン マッピングの不一致を削減できるようになります。
詳しくは、SDR 対応範囲への HDR 輝度のトーン マッピングをご覧ください。
グラフィック
Hardware Composer HAL の AIDL
Android 13 以降では、Hardware Composer(HWC)HAL は AIDL で定義され、HIDL のバージョン android.hardware.graphics.composer@2.1
から android.hardware.graphics.composer@2.4
までは非推奨になっています。
詳しくは、ハードウェア Composer HAL の AIDL をご覧ください。
クライアント フレームバッファの管理
Android 13 以降では、クライアント合成中に使用される新しいフレームバッファがディスプレイ解像度が変更されるたびに割り当てられます。この割り当ては、解像度変更後、次の無効化サイクル時に SurfaceFlinger が行います。
詳しくは、クライアントのフレームバッファの管理をご覧ください。
AutoSingleLayer による通知なしバッファのラッチ
Android 13 には、通知なしバッファをラッチするための AutoSingleLayer
という新しい設定が追加されています。この設定により、SurfaceFlinger は、単一のレイヤのみが更新されたとき、ジオメトリの変更や同期トランザクションなどのレイヤ間で発生した場合以外で、通知なしバッファをラッチできます。
詳しくは、AutoSingleLayer による通知なしバッファのラッチをご覧ください。
操作
スマートホームの認証
Android 13 では、Device Controls API に isAuthRequired
という新しいメソッドが追加されています。これにより、デバイス コントロール プロバイダは、ロックされたデバイスで完全に操作できるスマートホームを指定できます。その結果、スマートフォンの画面がロックされている場合など、エントリ ポイントでのよりシームレスな操作が可能になります。
ヘッド トラッカー HID プロトコル
Android 13 では、ヘッド トラッカー ヒューマン インターフェース デバイス(HID)プロトコルが導入されています。これにより、ヘッドトラッキング デバイスを USB または Bluetooth 経由で Android デバイスに接続でき、センサー フレームワークを通じて Android フレームワークとアプリに公開できます。
詳しくは、ヘッド トラッカー HID プロトコルをご覧ください。
KeyguardManager でのロックされたコールバック シグナルのサポート
Android 13 では、KeyguardManager
クラスの addKeyguardLockedStateListener
および removeKeyguardLockedStateListener
などの新しいメソッドを使用して、キーガードのロック状態をリスナーに通知できます。
NNAPI 再利用可能な実行オブジェクト
Android 13 では、NNAPI AIDL HAL インターフェース IExecution
が導入されています。これにより、再利用可能な実行オブジェクトとそのキャッシュされたリソースの存続期間を管理できます。IExecution
オブジェクトを使用すると、NNAPI ドライバは実行間のリソースを保持し、リクエスト固有の最適化を適用できるようになります。これにより、機械学習推論タスクのオーバーヘッドを削減できます。
センサー AIDL HAL
Android 13 では、センサー AIDL HAL が導入されています。これは、AIDL HAL インターフェースを使用する Sensor HAL 2.1 をベースにした HAL です。センサー AIDL HAL は、ヘッド トラッカーと軸制限付き IMU のセンサータイプを公開します。
メディア
動画エンコード統計情報のエクスポート
Android 13 以降では、アプリ クライアントは動画エンコーダに、エンコードされた動画フレームごとにエンコード統計情報をエクスポートするようリクエストできます。動画エンコーダから取得した統計情報により、アプリは、マルチパス エンコードやエンコード前のフレーム前処理などの動画エンコード タスクを最適化できます。
詳しくは、動画エンコードの統計データをご覧ください。
パフォーマンス
ヘルス AIDL HAL
Android 13 では、ヘルス AIDL HAL が導入されています。これは、AIDL HAL インターフェースを使用する Health HAL 2.1 をベースにした HAL です。
ゲーム読み込み時のパフォーマンス向上
Android 13 では、Power Manager サービスに「GAME_LOADING
」という新しい電源モードが導入されています。これにより、ゲームアプリは読み込み状態にあるかどうかを Power HAL に通知でき、Power HAL は読み込みブーストを提供できます。詳しくは、ゲーム読み込み時間のパフォーマンス ブーストをご覧ください。
権限
ボディセンサーの権限の分割
Android 13 以降では、BODY_SENSORS
権限は、フォアグラウンドで心拍数をトラッキングする BODY_SENSORS
と、バックグラウンドで心拍数を追跡する BODY_SENSORS_BACKGROUND
という 2 つの権限に分割されています。
詳しくは、バックグラウンドでボディセンサーを使用するには新しい権限が必要をご覧ください。
電源
アプリ バックグラウンド動作トラッカー
Android 13 では、アプリのバックグラウンド動作トラッカーというコンセプト、またはバックグラウンドでのアプリによるバッテリー使用量をモニタリングして、アプリがなんらかのポリシーに違反していないかどうかを確認するプロセスが導入されています。
詳しくは、アプリのバックグラウンド動作トラッカーをご覧ください。
バックアップ時と復元時の消費電力の削減
Android 13 以降では、UsbPort
クラスの enableLimitPowerTransfer
メソッドを呼び出して、USB のバックアップ時と復元時の電力転送を制限できます。
詳しくは、電源管理をご覧ください。
セキュリティ
APK 署名スキーム V3.1
このスキームは、ローテーションされた署名鍵と署名リネージを使用して APK に署名する際にデフォルトで使用されます。Android 13 以降では、単一の APK でローテーションをターゲットにしながら、v3.0 署名ブロックにオリジナルの署名キーを使用することで以前のプラットフォーム バージョンでのローテーションに関する既知の問題を回避できます。同様に、v4.1 署名には、v3.1 ブロックの増分署名が含まれ、増分インストールでも同じ動作がサポートされます。
インテントは宣言されたインテント フィルタと一致する必要がある
Android 13 では、外部アプリから発信されるすべてのインテントは、宣言されたインテント フィルタ要素と一致する場合にのみ、エクスポートされたコンポーネントに配信されます。
一致しないインテントはブロックされます。インテント マッチングが適用されない例外は次のとおりです。
- インテント フィルタを宣言していないコンポーネントに配信されるインテント。
- 同じアプリ内から発生するインテント
- システムからのインテント
- ルートからのインテント
OMAPI ベンダー安定版インターフェース
Open Mobile API は、デバイスのセキュア エレメントとの通信に使用される標準 API です。Android 13 より前、このインターフェースにアクセスできるのはアプリとフレームワーク モジュールだけでした。HAL モジュールは、これをベンダー安定版インターフェースに変換することにより、OMAPI サービスを介してセキュア エレメントと通信することもできます。
詳しくは、OMAPI ベンダー安定版インターフェースをご覧ください。
設定
アプリごとの言語設定
Android 13 では、ユーザーがアプリごとに言語設定を変更できる機能が追加されています。パートナーと OEM は、アプリの言語選択ページを無効にしないでください。また、次の 3 つのナビゲーション オプションを使用して、そのページにアクセスできるようにする必要があります。
- [設定] > [アプリ] > [app_name] に移動して、[言語] を選択します。
- アプリアイコンを長押しし、[アプリ情報] をタップして、[言語] を選択します。
- [設定] > [システム] > [言語と入力] > [アプリの言語] > [app_name]。
設定アプリは、引き続き android.settings.App_Locale_Settings
インテントからアプリのロケール設定ページを起動する必要があります。
詳しくは、アプリごとの言語設定をご覧ください。
テレビ
マルチメディア トンネル モード
Android 13 では、トンネリングした動画再生の定義済み動作が拡張され、その新しい動作が追加の CTS 認証テストと結び付けられます。
詳しくは、マルチメディア トンネリングをご覧ください。
アップデート
仮想 A/B アップデート
Android 13 では、仮想 A/B アップデート用に XOR 圧縮とユーザー空間のマージ機能が追加されています。XOR 圧縮を使用すると、XOR データは未加工のブロックデータよりも圧縮しやすくなるため、スナップショット サイズを小さくできます。ユーザー空間の統合機能を使用すると、snapuserd
ユーザー空間コンポーネントで仮想 A/B アップデート用の統合処理に対処できるようになります。これにより、dm-snapshot
デバイスが使用されている Android 12 と比較して、統合時間を短縮できます。
Android 13 にアップグレードするデバイスでこれらの機能を有効にする方法について詳しくは、XOR 圧縮とユーザー空間のマージをご覧ください。
仮想化
Android Virtualization Framework
Android 仮想化フレームワーク(AVF)は、コード実行のための安全かつプライベートな実行環境を提供します。AVF は、Android のアプリ サンドボックスよりも強固で形式検証がなされた隔離保証を必要とするセキュリティ指向のユースケースに最適です。
詳しくは、Android 仮想化フレームワークの概要をご覧ください。