このページでは、Android Automotive 13 の主な新機能の概要を説明します。
機能
カメラ
- Android Camera2 API: サードパーティ製の一般ユーザー向けアプリで、拡張ビューシステム(EVS)のパフォーマンスや動作には影響を与えずに、1 つまたは複数の車載カメラに同時にアクセスすることが可能になりました。
- 相対的位置によりカメラデバイスを列挙: クライアントでカメラデバイス(または動画ストリーム)を相対的な位置に応じて列挙して開くことができるようになりました。クライアントに表示されないハードウェアの詳細(デバイスノード名など)も同様です。
- EVS ホットプラグ イベント: ホットプラグ カメラの通知と処理が追加されました。
自動車のフレームワーク
- 自動車のメインライン フレームワーク: 自動車の新しいフレームワーク モジュール(自動車 API や自動車サービスを含む)が追加されました。これにより、Android プラットフォームのバージョンに関係なく自動車スタックの更新が可能になりました。
- 運転時の安全確保の地域指定に対応: アプリで運転時の安全性を確保する対象の地域を指定できるようになりました。また、システムで特定の地域を指定して一時的に適用を免除することが可能です。
- 車両 HAL を HIDL から AIDL に移行: HIDL HAL は引き続きサポートされますが、新しいプロパティを追加するのは、新しい AIDL の車両 HAL のみとする必要があります。
- VHAL でより大きなペイロードと呼び出しのバッチ処理に対応: VHAL で共有メモリを使ってさらに大きなペイロードを渡すことが可能になりました。呼び出しをバッチ処理することで、複数のリクエストをより効率的に送信できます。
- クラスタに対するナビゲーション メタデータの入力: この機能により、Navigation State API のナビゲーション状態のプロトコル バッファで、追加の項目としてナビゲーション メタデータを記述できるようになります。
- タップモード: Android 13 では、通知はフォーカス イベントと切り離されるようになりました。Android 12 の場合、フォーカス モードとタップモードは同じ C++ ネイティブの FocusEvent で表されます。タップモードの変更は、新しいイベント
TouchModeEvent
で表されるようになりました。この新しいネイティブ イベントは、フォーカスされているかどうかにかかわらず、既存のすべてのウィンドウにディスパッチされます。
接続
- 超広帯域無線(UWB)を有効化: マルチアンカーに対応し、UWB タグを 10 cm の精度で見つけられるようになりました。
- Bluetooth のメインラインの統合: 自動車用 Bluetooth がモジュールに変わり、Android プラットフォームのバージョンに関係なく更新が可能になりました。非表示の API は、Google の継続的なサポートの下でシステム API に移行されます。
- Gabledorsch: 新しいバージョンの Bluetooth スタックが有効となりました。これは自動車のユースケースに対応しています。
- 車両ネットワーク: イーサネット ベースのネットワークについて、IP 設定の動的な管理や、ネットワーク機能、アプリのアクセス制御リスト、ネットワークの接続や接続解除を簡単に行う機能などの設定ができるようになりました。
- リファレンス TCU: テレフォニー HAL を介して外部のテレマティクス ECU を Android と統合することがより簡単になりました。
- プロジェクションに対応: 生成された
hostapd
の AP 設定の一部としてVendorElements
を追加する、新しい API が追加されました。 - Wi-Fi がオフのときに Wi-Fi チャネルと国コードのリストを取得する API
電源
- Suspend-to-Disk に対応: RAM の内容を保持して電源をオフにするモードです。Suspend-to-Disk と Suspend-to-RAM に対応しています。
- シャットダウン プロセスを制御: ベンダーがガレージモードの前後に適切なタイミングで操作を行えるようになりました。
プライバシー
- 自動車用の権限モデル: 運転中の安全性、プライバシー、ユーザー エクスペリエンスのバランスを取れるよう、権限モデルが変更されました。
- 許可または拒否した権限について運転後に通知: ユーザーが駐車したときに、運転中に許可や拒否を判断した権限について通知が行われるようになりました。
- 最近許可または拒否した権限: 最近許可または拒否した権限の情報がプライバシー設定に表示されるようになりました。これにより、ユーザーは権限に対する許可や拒否の判断を変更できます。
- 自動車用のプライバシー ダッシュボード: ユーザーがアプリの権限について最近の使用状況をプライバシー設定で確認できるようになりました。たとえば、センサー(位置情報、マイク、カメラなど)のイベントのタイムライン、GMSCore の使用のサブアトリビューション、といった情報が表示されます。
センサー
- Android センサー フレームワークの新しいセンサータイプ: さまざまなセンサー構成やナビゲーションのユースケースに対応できるよう、軸数や方位の制限に適した、慣性計測装置(IMU)の新しいセンサータイプが追加されました。
テレメトリー
- OEM テレメトリー: OEM が Android のインフォテインメント システムを使用して、車載インフォテインメント(IVI)と車のデータの設定や収集ができるようになりました。
ユーザー管理
- ユーザーのライフサイクル イベントの管理を改善: パフォーマンスの向上とクライアント コードの簡素化を目的として、新しいユーザー ライフサイクル フィルタが追加されました。
車両の統合
- 新しい VHAL プロパティ: フォグランプ、EV 充電、トレーラー、車両重量、ホイール ティックの新しいプロパティが追加されました。